日本の色彩をロサンゼルスへ ─ 岩絵具ワークショップとPIGMENT TOKYOの挑戦

日本の色彩をロサンゼルスへ ─ 岩絵具ワークショップとPIGMENT TOKYOの挑戦

更新日:2025年8月26日

 

 

PIGMENT TOKYOでは、日本国内外に向けてさまざまな画材の魅力を発信、普及する活動を行っております。特に、日本の伝統的な画材や技法、材料に対しては、海外のアーティストから高い関心が寄せられています。

そのニーズに応えるかたちで、東京のPIGMENGT TOKYOの店舗で定期的に開催している入門講座に加え、法人・団体、個人問わずそれぞれのご要望に応じたプライベートワークショップなどを通じて、絵画材料の知識を提供する機会が増えています。

なかでも、岩絵具、金銀箔、裏打ちなど、他国ではあまり見られない日本独自の繊細な表現技法に関する関心は非常に高く、多くのお問い合わせをいただく分野のひとつです。

このような背景のもと、2024年12月には、アメリカ・ロサンゼルスにある Japanese American Cultural & Community Center(日米文化会館、以下JACCC)よりご招待を受け、現地在住の方に向けた岩絵具のワークショップの開催および商品の販売を行いました。

本記事では、そのイベントの様子を振り返るとともに、現在ロサンゼルスにて取り扱われているPIGMENT TOKYOの商品についてもご紹介いたします。

 

 


出展の経緯

 

JACCCは、ロサンゼルス・リトルトーキョーを拠点に、日本および日系アメリカ人の芸術・文化を地域社会に広める活動を行っています。

その一環として、地域や国を越えた人々のつながりを育む場を提供し、多様なプログラムや体験を通じて、生きた伝統を次世代へ継承する取り組みを続けています。

このたび、カリフォルニアのアート界で注目を集める大規模イベント「PST ART」の開催期間にあわせ、JACCC主催の岩絵具ワークショップが企画されました。

「PST ART」とは、Getty財団が南カリフォルニアの45以上の文化機関と連携して開催する、過去と現在の交差点を探求する大規模なアートプロジェクトです。


 

 

概要

 


レセプション

 

日時:2024年12月6日(金)

内容:PIGMENT TOKYOをはじめとする寺田倉庫株式会社のアートプロジェクト紹介


現地にお住まいの一般の方々に加え、アーティストや文化財修復の専門家、アートディレクター、美術教育関係者など、日本の画材に関心のある幅広い分野の方々にご参加いただきました。

さらに、画材の魅力を気軽に体験していただけるよう、PIGMENT TOKYOのエフェクト顔料を使用したオリジナル水彩絵具のサンプルや、墨・硯、各種筆もご用意し、自由にお試しいただけるコーナーを設けました。

 

 


エフェクト顔料を使ったオリジナル絵具サンプルの試筆  



ロサンゼルスでは、岩絵具やそれに関連する日本の画材はあまり流通していないため、今回のイベントでは、現地では手に入りにくい岩絵具のセットや筆を数量限定で販売し、大変ご好評をいただきました。
とくに人気の商品は、JACCC実店舗およびオンラインショップ「PIGMENT TOKYO – MISE 店」でもお求めいただけます。近隣にお住まいの方で、実際に商品を手に取ってご覧になりたい方や、岩絵具を気軽に試してみたい方は、ぜひMISEにご来店ください。

 

 

 

 

なかでも、おすすめはMISE店とPIGMENT TOKYOオンラインショップ限定の「PIGMENT SELECT 日本画セット/天然12」です。バランスよくセレクトされた天然岩絵具の少量パッケージに、牛膠溶液、使い勝手の良い彩色筆、少量の絵具を数色入れられる梅皿がセットになっており、これから岩絵具をはじめてみたい方にも最適なスターターキットです。

そのほかにもPIGMENT TOKYO定番の、岩絵具や水彩絵具に必要な展色剤や人気の岩絵具セットに加え、京都の老舗筆メーカー・株式会社中里の刷毛や筆、株式会社名村大成堂の女子竹の筆など、厳選した画材を多数取り揃えています。


※PIGMENT TOKYO – MISE 店はPOP-UP店舗のため、商品は無くなり次第終了となります。

※限定品を除き、商品はPIGMENT TOKYOの店舗およびオンラインショップでもご購入いただけます。
用途に合わせて、お好みの画材をぜひお選びください。

 


JACCC オンラインショップ PIGMENT TOKYO – MISE 店(外部サイト)


PIGMENT TOKYO オンラインショップ

 

 

 

ワークショップ

 

 

開催日時:2024年12月7日(土)、12月8日(日)
講座名:「岩絵具で寒牡丹を描く」
参加人数:合計20名(各回10名)
講師:PIGMENT TOKYO  岡野敦美 山里奈津実

 

 

 講師:岡野敦美(PIGMENT TOKYO)


 

講師:山里奈津実(PIGMENT TOKYO) /画像右

 

 

今回のワークショップには、アーティストや陶芸家、美術大学の学生など、日頃から創作に取り組んでいる多くの方々が参加され、会場は終始熱気に包まれていました。
なかには、日本のPIGMENT TOKYOへのご来店や「箔で夜空をつくる」ワークショップに参加された方々もいらっしゃり、ロサンゼルスでも私たちの活動が広がっていることを実感できる貴重な機会となりました。
また、和紙の特性や「ドーサ引き(にじみ止め)」に関する質問も多く寄せられ、日本ならではの素材や技法への興味の高さがうかがえました。

参加された方のほとんどは岩絵具を使った絵画制作は初めての体験でしたが、楽しみながら取り組み、個性が光る素敵な作品を仕上げました。表現のヒントを得たという声も多く、これから挑戦してみたい技法へのイメージが広がったようです。

 

 

天然岩絵具と膠を練る様子

 

 

 


PIGMENT TOKYOで定期的に開催している岩絵具と箔の入門講座については、こちらのページと記事をご覧ください。

ワークショップ-PIGMENT TOKYO

 

 

 

 

 

 

PIGMENT TOKYOでは、画材および技法に関する専門的な知識を柔軟にご提供する、出張型のワークショップを国内外にて展開しております。
日本美術や画材に関心をお持ちの方々のみならず、アーティストや文化財の修復に携わる専門家など、業種や分野を問わず幅広いニーズにお応えしております。ワークショップの実施をご検討の際はお問い合わせください。

 

 

 

 

プライベートワークショップの基本情報(個人・法人・団体)については、こちらの記事もご参照ください。

 

 

 

 

日本国内外で行った企画事例

 

ワークショップ(ブータン)

 

 

 

 

 

 

美術館とのコラボレーション企画

 

 

 

 

 

 

PIGMENT TOKYO

お問い合わせ - PIGMENT TOKYO


法人・団体のお客様 プライベートワークショップ情報

PRIVATE WORKSHOP




Japanese American Cultural & Community Center(日米文化会館

Japanese American Cultural & Community Center

 

 

白石 奈都子

PIGMENT TOKYO

白石 奈都子

多摩美術大学 染織デザイン専攻卒業。オリジナルの和紙、書を主体とした制作に携わり、アーティストとして活動中。

好きなマチエール:紙 躍動感のある木の繊維

多摩美術大学 染織デザイン専攻卒業。オリジナルの和紙、書を主体とした制作に携わり、アーティストとして活動中。

好きなマチエール:紙 躍動感のある木の繊維

岡野 敦美

PIGMENT TOKYO

岡野 敦美

シカゴ美術館付属美術大学大学院予科 絵画学科卒業。PIGMENT ARTICLESでは主に翻訳を担当。絵画やインスタレーションの制作を行う。

好きなマチエール:透きとおる素材や色が重なりつくる、意図と無作為の交わり。

シカゴ美術館付属美術大学大学院予科 絵画学科卒業。PIGMENT ARTICLESでは主に翻訳を担当。絵画やインスタレーションの制作を行う。

好きなマチエール:透きとおる素材や色が重なりつくる、意図と無作為の交わり。

山里 奈津実

PIGMENT TOKYO

山里 奈津実

京都造形芸術大学大学院博士課程修了、博士(美術)。 京都芸術大学非常勤講師。純金箔を核に技法研究、作家活動を行う。
好きなマチエール:きらきらとひかるテクスチャを自然の光のなかで見ることが好きです。

京都造形芸術大学大学院博士課程修了、博士(美術)。 京都芸術大学非常勤講師。純金箔を核に技法研究、作家活動を行う。
好きなマチエール:きらきらとひかるテクスチャを自然の光のなかで見ることが好きです。