—顔料とは何ですか。
顔料は簡単にいうと色の粉です。水に溶けず、単体で紙やキャンバスに塗ると定着しません。「展色剤(てんしょくざい)」と呼ばれるのり剤と混ぜることで、はじめて絵具として使用することができます。また、染料のように布の染色には向いていません。
PIGMENT TOKYOの棚に並んでいる商品のほとんどが画材用の顔料です。
—顔料はどのように使うのでしょうか。
顔料と展色剤(のり剤)を混ぜることで、「絵具」になります。みなさまが見慣れているチューブ絵具は、顔料と展色剤などを混ぜて作られたものです。
混ぜてはいけない顔料と展色剤の組み合わせはありませんが、相性はあります。関連記事も参照のうえ、表現に合わせた絵具を作ってみてください。
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—顔料にはどのような種類がありますか。
PIGMENT TOKYOでは、主に日本画用の「岩絵具」、水彩絵具や油絵具で用いられる「ピグメント」、光輝性・光沢のある「エフェクト顔料」の3種類の顔料を取り扱っています。
・岩絵具
天然由来の鉱物等から作られた「天然岩絵具」と、ガラスなど人工的な素材から作られた「新岩絵具」、「京上絵具」があります。不透明で、粒子感のある砂のような質感が特徴です。
原料を粉砕し、各色10段階の粒度に分けられています。5番から13番までは番手の数字が大きくなるにつれて粒子が細かくなり、「白(びゃく)」は最も細かい粉末状を示しています。
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・ピグメント
粉末状の顔料の総称であり、市販されているチューブ絵具にも使用されています。粒子が非常に細かいので滑らかな質感です。また、鮮やかで発色のいい顔料も多数あり、幅広い色調も特徴です。化学合成によって作られたものが多く、天然の顔料は限られています。
・エフェクト顔料
工業製品や自動車の塗装の技術から発展した、雲母や金属、ガラスを基材にした顔料です。金属やパールのような輝きや、見る角度で色や輝き方が変わる性質、暗所で発光するものなど、さまざまな視覚効果が特徴です。
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・その他
その他にもPIGMENT TOKYOでは、天然の土から作られた「土絵具」や、イタボガキをベースに着色された「水干絵具」なども扱っています。
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—顔料15gはどのくらいの量になりますか。
PIGMENT TOKYOでは顔料を15g単位で販売していますが、素材や粒子の粗さによって量(かさ)が異なります。
下の画像の顔料はすべて15gですが、ご覧のように量が違います。
また、絵具にしたときの違いとして、粒子の細かい顔料の方が伸びがよく、粗い顔料よりも少量で広い面積を塗ることができます。
—C.I. Name、C.I. Numberとは何ですか。
英米の色材業者の協議会でまとめられた「カラー・インデックス名(Color Index Name)」という色素便覧があります。略して「C.I. Name」と呼ばれ、これを参照することで色材を色素ごとに分類できます。
また、色を化学構造から分類したものもあり、それを「C.I. Number」といいます。
多くの画材メーカーはカタログや絵具のチューブに、そのうちの一方または両方を表示しています。
これらの情報を知ることで、顔料の性質や組成を化学的な視点からさらに深く理解することができます。
—顔料の安全性・危険性について教えてください。
顔料の危険性は、*GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に基づいて評価されます。
化学品の危険・有害性を分類し、安全ラベルやデータシートにその情報を表示する、世界共通のルールです。
PIGMENT TOKYOでは、GHSの基準で示す有害性が極めて強い顔料は取り扱っていませんが、作業時にはマスクを着用し、使用後には部屋の清掃と換気を行ってください。
GHSの詳細については、お住まいの国の健康や化学物質関連の機関でご確認ください。
*GHS…The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals