用途別で使い分ける絵刷毛

用途別で使い分ける絵刷毛

PIGMENT TOKYOでは様々な種類の刷毛を取り扱いしております。

一般的に刷毛は広い面積を塗る時に使用されるものですが、毛の種類によっては幅広い手法・メディウムでご利用できます。

この記事では、刷毛をご購入希望のお客様に向けて、おすすめアイテムをいくつかご紹介します。



絵刷毛

 

 

スタンダードな羊毛の腹毛を使った刷毛です。絵具の含みがよくふっくらとした使い心地です。

透明水彩絵具からアクリル絵具、油絵具まで様々な使い方ができますが、毛がしなやかなため、柔らかなタッチを得意とし、硬い絵具との相性は良くありません。

水やメディウムでしっかりと絵具の流動性を高めてから使用してください。アクリル絵具を使用した平面構成のようなフラットな塗り方をしたい場合も、こちらの刷毛がおすすめです。

穂丈が23mmで幅が16mmの5号から穂丈が60mmで幅が300mmの100号まで、幅広いラインナップがあるのも特徴です。



ドーサ刷毛

 

 

こちらはドーサ引きをするときに適しています。この作業は生の和紙や絵絹をはじめとする吸水性の高い下地に描画する際、表面に薄い膜を作ることで滲みを抑え、絵具の定着を良くする時に行われます。非常に厚口の穂でやわらかく、たっぷりとドーサ液を含むことができ、1ストロークで広い画面を塗ることも可能です。

ナイロンを混毛し、通常のドーサ刷毛よりも毛(玉厚)を薄く仕上げた「極品ドーサ刷毛」という商品もございます。



白髯刷毛

 

 

絵刷毛よりコシがあります。

こちらも同じくチューブから出したままのような硬い絵具を塗るのには適していませんが、たっぷり絵具を含ませて、コシを生かしてストロークに強弱を付けたりする時にも便利です。



極品刷毛

 

 

羊毛の腹毛よりコシのある羊毛を使用した刷毛です。コシは羊毛刷毛の中でも一番強く、先のまとまりも良いです。

全てナイロンでできた「白波刷毛」という商品は、絵具を含んだ時の穂先が聞きにくいのですが、より画面を広く大きく塗りたい時に適しています。



オックス刷毛

 

 

今までご紹介した刷毛は比較的、粘度が低い絵具などを塗るのに適したものが多かったのですが、こちらのオックス刷毛は柔らかさが特徴の馬毛と、コシが強みの豚毛を混ぜた粘度の高い絵具にも向いている刷毛です。例えば濃いめの岩絵具、少し固めのアクリル絵具や、リンシードオイルを多く添加した油絵具などに向いています。

そもそも、オックスとは牡牛の耳毛を意味する言葉でしたが、今日では材料の供給不足などからこのような毛質となっています。



山馬刷毛

 

 

横山大観や菱田春草などで有名な「朦朧体」と称された画家達が背景等を綺麗にぼかす為に用いた刷毛です。また、かすれたタッチを描くのにも適しています。そのため基本的には根元まで絵具をつけて使用するというよりは、乾燥した状態で使用する刷毛です。日本画をはじめとする膠と岩絵具の組み合わせで使用されます。

「唐刷毛」という山馬刷毛に比べてリーズナブルな黒豚毛を使用した商品もございます。



塗刷毛

 

 

塗刷毛とは白髯刷毛の柄にカシュー塗を施した刷毛です。白髯刷毛より少しだけ毛の厚みが薄くなっています。見た目も去ることながら、カシュー塗りが施されているため柄が汚れにくく、手になじみやすくなっています。

ご自身で使用されるのはもちろんのこと、大切な方へのギフトにも良いのではないでしょうか。



今回は描画用の刷毛をご紹介しましたが、他にも表具で使用される表具刷毛や、友禅などで色を指すときに使用される「差指刷毛」など、多種多様な刷毛を取り扱いしております。

また、刷毛と形が似ていながらも全く異なった効果を得ることができる「連筆」もございます。

 

天王洲のリアルスペースでは、お試し用の刷毛で描き味を体験しつつ、当ラボ画材エキスパートから要望に応じたご提案もいたします。

今回ご紹介した商品で気になる商品がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

Profile

大矢 享

Art Materials Expert at PIGMENT TOKYO

AKIRA OYA

Born in 1989 in Tokyo. Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art. While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his career as a visual artist.

Born in 1989 in Tokyo. Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art. While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his career as a visual artist.