水系グラファイトインク、Fluid Graphite(フルイドグラファイト)

水系グラファイトインク、Fluid Graphite(フルイドグラファイト)

Fluid Graphite(フルイドグラファイト)とは、株式会社呉竹からリリースされているグラファイトと合成樹脂を練り合わせた水溶性のモノクロインクです。グラファイト特有のマットな質感と、深みのある落ち着いた色味が特徴の商品で、耐光性にも優れています。

グラファイトとは黒鉛とも呼ばれ、煤やカーボンブラックと同じ炭素の仲間。化学記号は同じでも、結晶構造の違いで色味や性質が変化します。


マットな質感が特徴的で、水で薄めて使用することはもちろん、そのまま塗布してマチエールを生かした立体的で厚みのある表現も可能です。また厚さのある下地を磨いて、光沢感のある塗面を作ることもできます。

お手持ちの水性画材と混ぜて使用することも可能です。濃度を濃くしたり、モデリングペーストと混ぜることで、マチエールを生かした、でこぼこした表現も。

ただし透明水彩同様、こちらの絵具は乾燥後も耐水性にはならないのでご注意ください。

 

 

【使用画材】

基底材:竹和紙 水墨画用

色材:Fluid Graphite



滲み方も特徴的で、顔料のような色の強さを有しながらも、吸水性の高い紙に描くとまるで墨液のようなじんわりとした広がりを得ることもできます。

 

イラスト用途として、筆等を使って細い線や文字を描く事もできます。ただし耐水性はないので、骨描きやカラーイラストの主線には向かず、この絵具単体で作品を仕上げるか、濃淡を生かした透明水彩のような表現をおすすめします。

 

適度な粘度を有しているので、Fluid Graphiteを水彩絵具と混ぜて色のあるインクにすることもできます。(*必ずテストをしてから混色してください。)

例えば、同じ呉竹から発売されている顔彩耽美を利用することで水系の色材が作れます。顔彩は透明水彩絵具と同様に鮮やかな発色と水溶けの速さが特長で、乾燥後の描画面の上から水を塗布してぼかし表現などをすることができるのが特徴です。

 

 

 

【使用画材】

基底材:竹×楮 混合紙

色材:Fluid Graphite、顔彩耽美



Fluid Graphiteの明度の低さを生かして、エフェクト顔料に彩りを与えることもできます。

例えば「オパールカラーズ」は一見すると白一色ですが、下地を黒くしたり黒系の絵具を混ぜることで塗り色が大きく変化します。

 

 

 

【使用画材】

基底材:竹×楮 混合紙

色材:Fluid Graphite、顔彩耽美オパールカラーズ

 

そのほかにも、当ラボ取り扱いのエフェクト顔料と混ぜることで、オリジナルのグラファイトカラーインクを作成することも可能です。

 

グラファイト特有の光沢感を有する新しい水彩絵具と色々な画材を組み合わせて、表現の可能性を探求してみてください。

当ラボではグラファイトだけでなく、炭素の煤やカーボンブラックなどの炭素系顔料も取り扱いしております。実物を見比べ、それぞれにどのような差があるのかぜひおためしください。

 

色々な可能性を秘めたFluid Graphite。ぜひオリジナルの使い方を見つけてみてください。

 

 

Profile

大矢 享

Art Materials Expert at PIGMENT TOKYO

AKIRA OYA

Born in 1989 in Tokyo. Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art. While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his career as a visual artist.

Born in 1989 in Tokyo. Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art. While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his career as a visual artist.