PIGMENT TOKYOの夏休み — こども・親子ワークショップ—

PIGMENT TOKYOの夏休み — こども・親子ワークショップ—

PIGMENT TOKYOでは、夏休みにお子様を対象とした特別講座を開催いたします。
2023年はご好評いただいている画材や色、伝統技法の4つのワークショップをご用意しました。
いずれもお子様や親子でいっしょに講義と実技を学び、絵や色が好きなお子様だけでなく、美術や画材を通して創造性や個性を育むアート・エデュケーションとしてもご活用いただけます。
アーティストとしても活躍する画材エキスパートや伝統工芸士が実技の前に、画材や道具、手順をわかりやすくご説明しますので、初めての方も安心してご参加ください。
仕組みの理解がそのまま楽しみにつながる「本格的な体験」をこの機会にいかがでしょうか。

 

 

 

今夏のトップバッターは、お馴染みの画材を親子やご家族で作ることができる大人気講座です。

 

[夏休み親子]クレヨンづくり

 

日程:2023年7月23日(日)、8月17日(木)
時間:10:00〜11:30
講師:斉藤 桂(PIGMENT  TOKYO 画材エキスパート)
受講料:親子1組(2名様分)¥9,900(税込・材料費込)
対象年齢:5歳以上
ご予約:
  7月23日(日)[夏休み親子]クレヨンづくり 23/07/23 – PIGMENT TOKYO
  8月17日(木)[夏休み親子]クレヨンづくり 23/08/17 – PIGMENT TOKYO
※計量スプーンでの"すりきり"など細かい作業が伴うため、小学校低学年以下は保護者の補助が必要となります。
※1組につき、お子様または保護者1名追加も可能です。


いつも使っているクレヨンを作れるワークショップです。
素材の特徴や色のお話を織り交ぜながら、作り方について順を追ってご説明いたします。
作ったクレヨンは、特製のボックスに入れてお持ち帰りいただけます。
ベースとなる色材の発色をそのまま生かした基本色だけでなく、3つの顔料を組み合わせた混色ならではのカラーも作れますので、色を作るおもしろさも感じられる講座です。
お子さまの創作意欲が高まるよう、どんなクレヨンができるか、ぜひ親子で一緒にイメージをふくらませながらこちらの画像と手順をご覧ください。


◾️つくりかた

 

最初は、クレヨンの素となる蝋と油、そして色の粉「顔料」を分量どおり入れて、温めながら混ぜます。

 

  
 
材料が溶けてよく混ざったら、型に入れて固めます。


クレヨンらしいシルエットが現れてきました。
自分で作った画材は、愛情もひとしおです。
好きな色、その時の気分、描きたい絵をイメージしながら、ご自身のペースでお作りください。
市販のクレヨンと同じように、単体でも、お持ちの色材と併せて使うこともできます。
ご自宅に帰ってから、作ったクレヨンでお子様とご一緒に家族の思い出の一枚を描かれてはいかがでしょうか。
 

 


 
 
 続いては、毎年恒例の親子で制作体験を通して色を学ぶ講座です。

 

[夏休み親子]三原色でつくるカラーホイール
 
開催日程:2023年7月30日(日)
時間:10:00〜12:00
講師:斉藤 桂(PIGMENT  TOKYO 画材エキスパート)
場所:PIGMENT TOKYO
受講料:親子1組(2名様分)¥9,900(税込・材料費込)
対象年齢:5歳以上
ご予約:[夏休み親子]三原色でつくるカラーホイール 23/07/30-PIGMENT TOKYO
※ピンセットを扱うなど細かい作業が伴うため、小学校低学年のお子様は親御様の補助が必要です。
※未就学児も受講可能ですが、上記作業の注意事項をご了承ください。
※エプロンはご用意いたしますが、なるべく汚れても構わない服装でお越しください。
※1組につき、お子様または保護者1名追加も可能です。

 
三原色とは、かけ合わせによってさまざまな色合いを表現できる3つの基本色のことを言います。
講義と感覚的に作った色を使ってコラージュ技法を体験することで、色材への造詣を深められる講座です。 
講師がわかりやすく説明する色のお話しの後は、感覚的に三原色を学びます。 

 



まずはとろみのあるオリジナル絵具を思いのままに広げ、混色そのものを楽しみます。
絵具の三原色は、シアン(青緑)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)。
シアンとイエロー、マゼンタとイエローなど、同じ組み合わせでも混ぜる割合を少しずつ変えることで無限の色数を生み出せます。
水に強く破れにくく表面がなめらかなユニペーパーαの上では、ゆっくりと絵具が流動します。三原色がマーブル状に溶け合うひとときをご覧ください。

 

 


次に、円形にカットした竹和紙のパーツへ、色彩を写し取るように絵具を吸い取らせます。
色だまりからどのタイミングでどこをトリミングをするか。感性を頼りにその一瞬を切り取ります。

 

 


作ったパーツを乾燥させます。
竹の繊維からできた和紙が水分を吸収することで色調が変化します。想像通りの模様と思いもよらないマーブリングの誕生をイメージしながらお待ちください。

大小のパーツをグラデーションで並べたり、リズムをつけたり、配置を考えつつ円をかたち作っていくと美しいカラーホイールができあがりです。
最後に、裏面の両面テープでパネルに貼り付ければ完成です。
作品はお持ち帰りいただけますのでお部屋に飾り、ご自宅でその色彩に触れることもできます。

 




そして、夏休みの宿題といえば自由研究。こちらも夏季限定で開催し、画材をテーマにしたレポート作成ができる好評企画です。親子で学ぶこともでき、お子様だけの受講でも大丈夫です。

 

[夏休み自由研究]日本の伝統画材を学ぶ


開催日程:2023年7月29日(土)、8月20日(日)
時間:10:00〜12:00
講師:山里 奈津実(PIGMENT TOKYO 画材エキスパート)
場所:PIGMENT TOKYO
受講料:1名 ¥7,700(税込・材料費込)
対象学年:未就学児/小学生〜中学生
ご予約:
 7月29日(土)[夏休み自由研究]日本の伝統画材を学ぶ 23/07/29 – PIGMENT TOKYO
 8月20日(日)[夏休み自由研究]日本の伝統画材を学ぶ 23/08/20 – PIGMENT TOKYO
※未就学児も受講可能です(その場合は保護者同伴でご参加ください)。
※お子様の年齢に該当するオプション(無料)をご選択ください。年齢に合わせたワークシートをご用意いたします。
※保護者同伴の場合は、オプション(無料)を併せてお申し込みください。


日本で長い間受け継がれてきた画材について、制作体験と研究レポートをつくることができる講座です。
岩絵具などの伝統画材に関する説明は、PIGMENT TOKYOの画材エキスパートが作ったオリジナルのワークシートに沿って行います。講義の内容を記載していくと、夏休みの自由研究として研究レポートが完成します。
実技は、江戸時代の絵師・鈴木其一の《朝顔図屏風》を用いた下絵を用い、絵具作りから描画まで体験していただけます。
一見むずかしそうに感じるお話も、古典作品の模写研究や作家としても活動する講師が、スライドや体験した話を交えながらお子様にもわかりやすくレクチャーいたしますのでご安心ください。もちろん、わからないことがございましたらお尋ねください。 

 

 



左の画像は、小学校高学年以上向けのワークシートです。お子様の学年に合わせてご用意いたします。
絵具や顔料、講座で使用する画材と併せてご覧いただきながら学ぶことができます。
また、ご帰宅後はシートの内容を再確認したり、ご家族で遊びながらクイズを出し合ったり、自由な形で復習してください。


レクチャーの後は、いよいよ制作です。

 


顔料を絵皿で練って、絵具を作るところから始まります。
使用する顔料は《朝顔図屏風》に倣い、天然岩絵具の群青緑青胡粉
天然岩絵具は鉱石を砕き、それを糊剤と練ることで絵具になります。岩絵具と膠を指で練る伝統的な画材と技法を、実技を通して習得していただけます。


天然 群青
天然 松葉緑青
都の雪(胡粉)

同じ下絵と画材を使っても、色の使い方や筆の使い方が異なると、個性が表れるのも描画のおもしろいところです。色調、筆触、余白の使い方、画材の探求など、ご自身の作品イメージや研究に合わせて制作してください。

 

 



朝顔と葉を彩り、できあがりです。
涼を感じる天然岩絵具の持つ風趣な奥ゆかしい色合いも、夏の思い出の色のひとつになるかもしれません。



 


また、成長とともに増えていくお子様が描いた絵は、きれいな状態で飾ったり保管したいものです。こちらは伝統的な作品保管の技を親子で学べるワークショップです。

 



[夏休み親子]伝統技術で遊ぼう!


開催日程:2023年8月13日(日)
時間:13:00〜16:00
講師:物部 泰典(物部画仙堂)
受講料:親子1組(2名様分)¥14,300(税込・材料費込)
対象学年:4歳以上
ご予約:[親子]伝統技術であそぼう! 23/08/13 – PIGMENT TOKYO
※お子様が2名様以上参加される場合、オプションから追加分をご選択ください。
※なるべく汚れても構わない服装でお越しください。

 

【お持ち物】
お子様のアート作品やお気に入りのポスターなどをお持ちください。
自作他作は問いません。複数お持ちいただくことをおすすめいたします。
なお、作品の持参が難しいという方は、ワークショップ当日にPIGMENT TOKYOで絵を描いていただくことも可能です。
裏打ち可能な作品かご不安な場合はメールで
お問い合わせください。

 <アート作品例>
 ・折り紙でつくった似顔絵作品
 ・紙や布に描いた絵
 ・大切にしている思い出のポスター など

 

 

図画工作や身近な紙に描いたすてきな作品をシワやツレのない状態に仕上げ、オリジナルの表具に仕立てられるワークショップです。
紙や絹の書画作品を掛軸、巻物、額、襖、屏風、衝立などに仕立てることを総称して「表具」あるいは「表装」と言います。作品(紙や絹)の裏に和紙を貼り、厚く丈夫にすることを「裏打ち」と言い、表装技術のひとつです。また、裏打ちすることで作品本体の強度が増し、長期保管に適した状態を維持できます。
本講座では、裏打ちから表装までの過程を、親子で制作体験をしていただけます。また、実技では実際に裏打ちで用いる道具を使うことで、道具と技法の関係や効果について知見が深まります。
講師は表装技術の中心地である京都で、四代にわたり京表具師として伝統技術を継承する物部画仙堂より伝統工芸士の物部泰典氏をお招きします。
普段は教わることのできない京都の職人技を直に学ぶことができる、貴重な機会です。

裏打ちの詳細については、物部氏のインタビュー記事にて特集しております。よろしければ併せてご参照ください。
 裏打ちの所作 -輪郭- – PIGMENT TOKYO
 裏打ちの所作 -手法- – PIGMENT TOKYO

 

 

 

伝統的な裏打ちと表具づくりでは、どのように作品が生まれ変わるのでしょうか。ワークショップの内容をご紹介いたします。

 

紙や絹は水分を含むと伸び、乾燥すると縮む性質があり、その作用を利用してシワやツレを伸ばします。これも素材や道具を熟知する職人が経験から培い、生まれた技術のひとつ。
お持ちいただいた作品の裏面に専用の刷毛で水引きをします。画面を痛めないようにを刷毛で整え、糊で薄い和紙を貼り、補強します。
専用の板に裏打ちした作品を貼り、乾いてぴんっとした状態になったら、表装の作業です。
  

 


表装 作品例
屏風サイズ:一扇(片面)8cm×8cm


作品のサイズに合わせて、小さな屏風または掛軸に仕立てます。
こちらの屏風をよくご覧ください。現代的なインテリアの間仕切りなどに使われている金属製の蝶番(ちょうつがい)が付いていません。これは、紙蝶番(紙丁番/かみちょうつがい)と言う、日本特有の技法です。一扇と二扇に隙間がなく、蝶番が作品の外観やその世界観を損ねずに一枚の作品として表装できます。このような美術品同様の表装技術を学習できることも、お子様だけでなく保護者の方にとっても得がたい経験になるのではないでしょうか。
大切な作品をお子様と一緒に表装した作品は、その体験と新しい思い出が合わさり、作品の輝きが増すことでしょう。

 

 


学校の授業とはひと味違う、美術と画材の「気づき」が、お子様の探究心と好奇心の扉を開くきっかけに、また親子で体験した夏の記憶をメモリアルアートとしてお楽しみください。

Profile

白石 奈都子

Art Materials Expert at PIGMENT TOKYO

NATSUKO SHIRAISHI

Art Materials Expert at PIGMENT TOKYO Graduated from the Textile Design at Tama Art University. While she works as an art material expert at PIGMENT, she also continues her career as an artist of original paper, Japanese paper and calligraphy.

Art Materials Expert at PIGMENT TOKYO Graduated from the Textile Design at Tama Art University. While she works as an art material expert at PIGMENT, she also continues her career as an artist of original paper, Japanese paper and calligraphy.