PIGMENT TOKYOには多種多様な筆がありますが、そのなかでも当初から数多く取り扱っているのが、京都にある株式会社中里の筆です。
御所にほど近い、古き良き風情が残る錦市場につながる麩屋町通りに面した本社では、友禅染の伝統を受け継いだ絵筆が製造されています。使い手に寄り添った製筆メーカーとして名高く、多くの作家に愛される商品が生み出されています。
2024年の夏は、株式会社中里3代目代表取締役社長 中里文彦氏をお招きし、製造元ならではの座学と筆づくりが学べる特別講座を開催いたします。
※こちらのワークショップは終了しております。
最新情報は下記リンク先にてご覧いただけます。
[特別講座]京都中里 筆を知る / 筆をつくる
開催日時:2024年8月25日(日)13:00 — 16:00
講師:株式会社中里 代表取締役社長 中里文彦
受講料:¥9,900(税込・材料費込)
対象年齢:推奨5歳以上(幅広い年代の方にご参加いただいております)
ご予約:8月25日(日)[特講]京都中里 筆を知る / 筆をつくる 24/08/25
■保護者同席(1名様):無料
※保護者同伴の場合は、オプション(無料)を併せてお申し込みください。
※受講1名様に対し、ご同席は1名様までとなります。
※数に限りがございますので、規定数に達し次第、締め切らせていただきます。
※材料は含まれません(制作のお手伝いは可能です)。
※細かい作業が伴うため、小学校低学年以下は保護者の補助が必要です。
講義では、筆の要ともいえる獣毛の原材料や特性を学び、実技で2本の彩色筆をつくります。
使っているだけではわからない筆の構造や各部材の秘密も、伝統的な製筆工程を講義と実技で学ぶことでその仕組みの理解につながるのではないでしょうか。
さらに、作家や職人とともに歩んできた中里ならではの筆が一堂に会し、絵具をつけた描き比べが体験できます。中里特製「お試し塗りシート」に描き込みオリジナル筆シートを作成し、つくった筆と併せてお持ち帰りください。
アーティストだけでなく美術関連研究に携わる方やアート初心者、学生のみなさまなど、筆のご使用頻度の有無に関わらず、ご興味のある方はどなたでもご参加いただけます。
「知る」「つくる」「使う」の観点から筆を探求してみませんか。
◾️講義
株式会社中里 代表取締役社長 中里文彦氏
最初は、京文化にまつわる友禅と中里の筆の歴史や、商品にも使われる穂(毛)の原料とその特性について、長年製筆に携わってきた中里氏ならではのお話を伺います。
筆にはイタチ、狸、馬、鹿、羊毛、豚など、筆の用途や種類により使い分け、ときには数種類の毛を混ぜて作られています。部位や個体により毛質が大きく異なり、選別した毛をさらに不要な部分を取り除くと、そのうち良質な筆として使える毛はごくわずかです。
本講座では、このような普段はあまり知り得ない材料や製筆工程の詳細をわかりやすくご説明いたします。
講師へのご質問も積極的に承っておりますので、ぜひこの機会にみなさまの「筆の疑問」をお持ち寄りください。
◾️筆の試し塗り
刷毛や彩色筆から面相筆、連筆や油絵筆に至るまで和洋問わず、さまざまな筆がテーブル一面に並びます。筆の種類は当日のお楽しみ。なお、こちらのワークショップ限定で、PIGMENT TOKYOでは取り扱いのない商品の試筆もできます。
当ラボの商品でよく見かける「PIGMENT TOKYO」というロゴが入った筆や刷毛は、中里で特別に入れていただいています。
中里特製「お試し塗りシート」による試筆風景
同じ材料の筆でも、その部位や毛組、穂の長さ、形状により筆触や線も変わります。
中里特製の「お試し塗りシート」に試し塗りだけでなく、気になったことを書き記しましょう。
面相筆を選ぶときに、「穂先の効き」具合はもちろんですが、細い軸がゆえに手との相性も大切です。
軸に螺旋の溝が施された、あまり類のない特製巴面相はデザイン性もさることながら、螺旋の溝に指を添えて描いたときの効果も試筆では体感できるでしょう。
また、連筆と刷毛、友禅染にも使われている馬毛スリ込と夏毛スリ込を書き比べてみたり、オリジナルシートを完成させて、ご自身の商品データとして筆探しにご活用ください。
株式会社中里 筆一覧
◾️筆づくり体験
筆は大きく分けると、毛の部分である「穂(穂首)」と持ち手である「軸」を組み合わせてできています。このようなパーツ類が出来上がるまでには、原料の仕入れから仕立てまで熟練の職人による確かな目と丁寧な手作業により成り立っています。
こちらの筆づくり体験では、ある程度の工程まで出来上がった彩色筆の各部材をご用意しておりますので、経験を問わず筆づくりをお楽しみいただけます。
穂首に糸を巻く様子
専用の道具や手指、口を使いながら糊で固めた穂首を糸で括る、というような細かい作業が続きます。
徐々に筆らしい形になっていく製筆の過程を体験することで、毛を束ねただけではつくれない筆への理解が深まることでしょう。
軸に穂首を入れて、できあがりです。
つくった2本の筆はそれぞれの仕上がりや書き心地の違いを比べて、ぜひご自宅でお使いください。
内部から構造を知った先に、筆の特性を最大限に生かした表現技法があるかもしれません。
また、夏季はこちらの講座以外にもお子様や親子向けの講座や、通年開催しているワークショップもございます。ご興味がある方は、下記のリンク先にて詳細をご覧ください。
【ARTICLES】 PIGMENT TOKYOの夏休み — こども・親子ワークショップ—
※こちらのワークショップは終了しております。
最新情報は下記リンク先にてご覧いただけます。
株式会社中里
https://www.kyoto-nakasato.com/