PIGMENT TOKYOでミノー油絵具の取扱いがスタートしました

PIGMENT TOKYOでミノー油絵具の取扱いがスタートしました

PIGMENT TOKYOでは、株式会社クサカベによるミノー油絵具の取扱いがスタートしました。この油絵具は、極力単一顔料にこだわった国産の油絵具です。顔料濃度が高く、光沢があり伸びも良いので、薄塗りをしても発色が美しいプロ向けの油絵具です。

 


 PIGMENT TOKYO「ミノー油絵具」

 

 

 

株式会社クサカベは、前身の「クサカベ油絵具製造株式会社」にて、1928年に油絵具の製造を開始しました。その後、統廃合を経て一度生産が終了した「ミノーブランド」の専門家用油絵具が、旧クサカベ油絵具技術者の創業からの経験とノウハウを基に2021年にリニューアルしました。

初代ミノーが登場してから約50年経過し、絵具作りを取り巻く環境は大きく変化しています。技術の発展に伴い高性能かつ高機能な原料が増えたのはもちろん、長年蓄えた技術や知見により、加工が難しい天然鉱石を微粉砕した絵具もラインナップされています。

フェルメール・ブルーという名前で有名な天然のラピスラズリは、伝統的な絵画技法に挑戦してみたい方にもおすすめの油絵具です。

筆者が個人的におすすめしたいのが、アースカラー系の色。

天然テールベルト、ローアンバーやバーントアンバーなどは、しっとりとして渋みのある色味が非常に美しいです。ちなみに、このテールベルトは国産の緑土を使用しています

 

実際に絵具の色味をみてみましょう。使ったのは、フタロブルー、キナクリドンマゼンタ、キノフタロンイエローの3種類です。

 

パレットに出した感触としては、やや柔らかめな練りです。例えば同社の「油絵具 ストライプクリアボックスセット No.5」に入っているチューブ入りの絵具より光沢感が強く、粘度もあるため繊細なタッチを要求する場面で活躍するでしょう。

 

 

 

この3色をパレットナイフで軽く混ぜてみるとこのようになりました。しっかりメディウムと顔料が分散されているので、手触りが非常に滑らかで、混色も容易です。

 

 

 

同色を薄く伸ばすとこのような表現ができました。油絵具は乾燥が遅いため、こうした薄塗りの描画をしても綺麗なグラデーションをつくることができます。

 

 

国内メーカーで受け継がれてきた技術の結晶であるミノー油絵具。

実際に触れてみると、その滑らかさに感動することでしょう。ぜひお手に取ってみてください。

Profile

大矢 享

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

大矢 享

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、平面作品を中心にアーティスト活動中。

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、平面作品を中心にアーティスト活動中。