「油絵具を描きたい場合、どんな筆を選んだら良いのか?」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。油絵具といっても、時代によってその表現方法はさまざまです。
写実的な古典絵画を描きたい場合はコリンスキーや馬毛、羊毛などの柔らかい筆を用いることが多いですが、ゴッホやモネなど近代以降の凹凸を生かした絵画表現をしたい場合におすすめなのが、豚毛の油彩筆です。
豚毛は強い弾力があり、穂先がまとまりやすく安価に入手できるため、現代では利用されるケースが多い筆です。
穂の幅が4mmの0号から幅22mmの24号までご用意しているので、小作品から大作まで対応することができます。
豚毛は羊毛の丸筆のように強弱がつけにくい素材なので、小さい作品を描く初心者の方は0号、4号、8号……とひとつ置きのサイズで何本か購入することをおすすめします。
線を重ねていくハッチングなど、細かい部分の描写やサインに関しては、株式会社名村大成堂のSKの丸筆と平筆が良いでしょう。
コリンスキーとは、シベリア産のコリンスキーセーブルを指します。これは柔らかい筆において最高級の画筆。国産メーカーならではの同社独特の技術で、含みや弾力に富んでおり、毛先も良くまとまるため、線描に便利です。
油性の下地塗りや、油絵具で広い面積を塗りたい場合は、地塗用豚刷毛を使用してください。古典技法では豚毛ラウンドブラシを使用する場合もあるので、伝統的な絵画表現に挑戦したい場合はこのような筆も使ってみると、より表現の幅が広がるかもしれません。
油絵具用の筆以外でも、油彩に適した筆もあります。
例えばナイロンや羊毛等の場合、オイルを添加し硬さを調整することで塗り重ねを行うことができます。
ただ、油絵具は一度乾燥すると除去が容易ではなくなるため、使用後にしっかりと石鹸で洗ってください。同様の理由から、高級は書画用筆は油系の描画に不向きです。
コリンスキー優印面相は油絵具で使用できる日本画筆のひとつ。
ただし、穂先が金属で固定されていないため、場合によっては接着剤が取れてしまう可能性があります。揮発性油へのつけ置きなどは避けてください。
油絵具で使用する筆は、ペトロールなどで余分な油を拭き取った後、洗剤を使って水洗いをしてください。それによって筆のもちが良くなるのはもちろん、常にベストな状態で作業に取りかかることができます。
詳細な筆のクリーニング方法については、こちらの記事でご紹介しているので、ご参照ください。