寺田倉庫株式会社はPIGMENT TOKYOだけでなく、WHAT MUSEUM、WHAT CAFE、TERRADA ART COMPLEXなど、さまざまなアート関連施設を天王洲アイルで展開しております。
今回、WHAT MUSEUMとPIGMENT TOKYOの共同企画として、「日本の現代アートに触れる - 墨流し体験とミュージアムツアー」を開催しました。
WHAT MUSEUMでは「公開制作:能條雅由『うつろいに身をゆだねて』」展が2023年4月28日から8月27日まで開催されており、能條の新作のLinks "Evergreen"シリーズ公開制作と代表作の展覧会を行っています。
それを受けて、WHAT MUSEUMとPIGMENT TOKYOの共同企画として、「日本の現代アートに触れる - 墨流し体験とミュージアムツアー」を開催いたしました。
当ラボにて能條によるワークショップを体験し、作家と展覧会企画担当のアテンドのもとで美術館鑑賞をする、アートの街天王洲アイルならではの企画です。
まず初めに、能條による墨流しワークショップからイベントは始まりました。
墨流しとは、水面に墨や色材を落とした際にできる模様を紙などに移し取る伝統技法のひとつです。その起源は9世紀頃にまで遡り、川の水面に墨を落として水の流れによって作り出される模様の変化を楽しんだ宮廷遊びのひとつだったとも言われています。
厳密な定義では墨流しと異なりますが、作品内でアクリルエマルションによるマーブリング模様を取り入れている能條。現役アーティストが実制作で得た知見を実制作を通して体験できるのは、当ラボの強みです。
こちらはデモンストレーションの様子です。
水の入ったアルミバットの上に墨液を垂らし、食器用洗剤を用いて波模様を作りながら、竹串などを使ってランダムな波紋様を作ります。
その後、そっと上から紙を置くことで水面の模様を転写することができます。
レクチャー後、皆さまもそれぞれ好きな色で墨流しに挑戦していました。
作り手により変化する色彩と模様はさまざまで、見ているだけで涼しげな気分にさせてくれます。
技法自体は非常にシンプルなので、大人から子供まで楽しむことができます。
バットから取り出した時の様子、どんな模様が転写できるかは見てみるまでわかりません
乾燥させて額に入れた様子がこちら。鉱物のような有機的な波模様から、着物を思わせるような細い線まで、色々な表現が可能です。額縁に入れると画面が引き締まり、一層魅力的な作品となりました。
墨流し体験を終えた後は、WHAT MUSEUMにてミュージアムツアーが行われました。
鑑賞するのは高橋龍太郎コレクション「ART de チャチャチャ-日本現代アートのDNAを探る-」展と、「公開制作:能條雅由「うつろいに身をゆだねて」です。
「公開制作:能條雅由「うつろいに身をゆだねて」では、能條による作品解説がありました。作家本人に自作のことを話してもらえる貴重な機会ですので、参加者のみなさまも真剣に耳を傾けていました。
代表作《Mirage》シリーズを語る能條雅由
最後に高橋龍太郎コレクション「ART de チャチャチャ-日本現代アートのDNAを探る-」展を、企画担当者の中橋 アレキサンダー より解説。
高橋龍太郎コレクションは、日本屈指のアートコレクターである精神科医・高橋龍太郎氏が1997年から本格的に始めた現代アートコレクションで、現在3,000点を超える作品を所有しています。その中から岡村桂三郎、鴻池朋子、菅木志雄、山口晃、横尾忠則などの作品を展示しています。
田代裕基による《炎天華》を前に解説をする中橋
イベント終了後も展示がどのように作られていくかなど、ここでしか聞けない質問が絶えず、大盛況の中イベントが終了しました。
当企画は限定開催ですが、PIGMENTでは他にも魅力的なワークショップをたくさん企画しております。
こちらのリンクをクリックして、気になるワークショップを探してみてください。
https://pigment.tokyo/collections/workshop
イベント情報
・日本の現代アートに触れる - 墨流し体験とミュージアムツアー
(※このイベントは終了しました。)
開催日時:2023年07月28日(金)
会場:PIGMENT TOKYO
時間: 14:00〜17:00
講師:能條雅由
受講料:¥8,000 税込
・展覧会名:公開制作:能條雅由「うつろいに身をゆだねて」
・高橋龍太郎コレクション「ART de チャチャチャ ー日本現代アートのDNAを探るー」展
会期:2023年4月28日(金)~2023年8月27日(日)
会場:WHAT MUSEUM
開館時間:火~日 11:00~18:00(最終入場17:00)月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料:一般1,500円、大学生/専門学生 800円、高校生以下 無料
※オンラインチケット制
※同時開催の展覧会の観覧料を含む
※本展会期中に何度でも入場できるパスポートを販売
WHAT MUSEUM PASSPORT 2,000円
※当ミュージアムの「建築倉庫」では、建築家や設計事務所からお預かりした600点以上の建築模型を保管し、その一部を公開しています
料金:建築倉庫入場料700円、セットチケット(本展入場料+建築倉庫入場料)2,000円