皆様は絵を描くための道具というのを意識されたことはありますか。
ときに時間との勝負にもなってくる作品制作。張り詰めた状況でも気持ちよく作業を進めるためには、実は良質な絵具や上質な絵筆と同じくらい、現場を支えてくれる使い心地の良い道具も大切だったりします。
今回はそんな縁の下の力持ちのなかでも、陶器製の道具にフォーカスをあててみました。
ぜひ、お気に入りのひとつを見つけてみてください。
ー筆洗
陶器製の道具の一番のメリットは、そのメンテナンスの簡単さになるでしょう。
プラスチック製の筆洗の場合、スポンジなどで強く擦ると傷がついてしまったり、固着力が強い絵具が取れない!なんてことがありますが、陶器の場合は傷つくことなく常に綺麗な状態で利用いただけます。
水墨や透明水彩など、水を使った微妙なトーンの表現が必要となる場合、色味がわかりやすいのも良いところ。
適度な重さがあり、筆を根本までしっかり洗えるので、アクリル絵具など一度乾いたら水に溶けなくなってしまう絵具を使用される方にもお勧めです。
当ラボでは角筆洗と円筆洗の二種類を、さまざまなサイズでご用意しております。
円筆洗は3つの仕切りに分かれているので、綺麗な水用でひとつ、洗う用でふたつというかたちで利用いただけます。
角筆洗は幅が広いため、刷毛などを洗う時には最適です。
ートキ皿
このFeaturesでもたびたび登場しておりますが、日本絵画の絵具を作る場合、顔料同士を手で練り合わせる作業が必要となるため、岩絵具を使用される方には必需品のとき皿。
膠以外のメディウムでも、粘度の低い絵具を溜めるパレット代わりとしても利用できます。
乾燥時間の早い絵具には皿にラップをかけてあげると、更に効率よく作業を進めることができます。
特にこのトキ皿(深型)は非常に手に馴染むサイズと重さのため、顔料が練りやすい形状になっております。15cmと大きい幅の物もご用意しておりますので、刷毛でニスを塗る時などにも重宝します。
パレット代わりに使用できると言っても、常に広いスペースで制作できるとは限りません。
そんな時に活躍するのがこの重皿(鉄鉢型)。
皿同士を重ねることが可能のため、省スペースで制作に挑むことができます。
この梅皿(深型)は少量の水干や岩絵具を数色溶くときに便利な花形の絵皿です。顔彩や水彩の混色用パレットとしても役立ちます。
水墨画を描く際、濃度別の墨を作る時にも非常に便利な一品です。
墨の濃淡の作り方の詳細については、こちらの記事もご覧ください。
ー乳鉢(棒付)
一見、実験道具のようにも見えますが、こちらも立派な画材のひとつ。
水干絵具や胡粉の小片を細かくすりつぶすために使います。丁寧にすりつぶすことで絵具をなめらかにし、発色を良くします。
また、水彩絵具を作る際にも、使用することができます。
12cm は片手で収まる使いやすいサイズ。6cm は少量の絵具を作るのに適しています。
小さいものから大きなものまでご用意しておりますので、お好きなサイズをお選びください。