エフェクト顔料には、シルクのようにしっとりとした光り方をするものから、スパンコールやガラスように光を乱反射するものまで、多様な種類があります。
このアストロフレークは、高純度のアルミニウム箔に着色をし、均等なサイズで精密に打ち抜き、顆粒状にした色材です。何よりも特徴的なのは、このグリッターの強い質感。
また、この素材の着色樹脂は耐光性と耐水性に優れたものを使用しているため、クリアで美しい光沢を保ち続けることが可能です。
使い方は他のエフェクト顔料同様、お好きなメディウムと混ぜることで絵具として使用ができます。ただし、アストロフレーク#20は粒子が大きいため、水で薄め過ぎると定着力が弱まる可能性がございます。
メディウムとしっかり練り合わせた上で、水分量を調整しながらご使用ください。
今回はアストロフレーク 12/ ロイヤルブルー#20を使用してみました。
実際に塗ってみた様子はこちらです。
【使用画材】
色材:アストロフレーク 12/ ロイヤルブルー #20(中島金属箔粉工業)
メディウム:アラビック 水彩メディウム(クサカベ)
アクリルエマルション
基底材:竹和紙 水彩画用
アラビアゴムを使用した場合は少しマットな質感になり、アクリルエマルションで混ぜると少し艶のある色味になりました。
ただ、この顔料は粒子が大きく、メディウムの接着力が弱いと剥落の危険性があるため、接着力の強いメディウムをお勧めいたします。
上段は筆で、下段はパレットナイフでそれぞれを着彩しました。1ストロークでは基底材が透けて見えてしまうため、筆を使用する場合は何回か重ね塗りをする必要があります。このサンプルでも数回塗り重ねを行っています。
パレットナイフを使用すると、しっかりと発色させることができます。ただ、アラビアゴムなど厚塗りに向かないメディウムでの使用には向きません。
もちろん、これらを混色することも可能です。
例えば、アストロフレーク同士やピグメントと混色すると、このような絵肌を得ることができます。筆者個人といたしましては、単体で塗るよりも混色を行った方が、この顔料が持つ鮮やかな発色を活かせるように感じました。
比重の軽い有機顔料系(フタロ系など)のような粒子の細かい透明色を混ぜることで、また一味違った表現を楽しむことができます。
【使用画材】
色材:アストロフレーク 12/ ロイヤルブルー #20(中島金属箔粉工業)
アストロフレーク 14/バイオレット #20 ※こちらの商品は販売を終了いたしました。
クリムソンレーキ(松田油絵具)
メディウム:アクリルエマルション
基底材:竹和紙 水彩画用
定着力の強いメディウムはアクリルエマルションだけではありません。
他にもジェルメディウムを使用することで、透明感のあるアクリル絵具を作ることが可能です。このサンプルではアストロフレークとジェルメディウムを混ぜ、筆を使って着彩を行いました。
ジェルメディウムはアクリルエマルションと比べると粘度があり、透明性が高いメディウムです。顔料と混ぜて絵具にしたり、基底材に塗ってマチエールを作ったり、コラージュ作品を作るときの接着などにも使用することができます。
また、筆を使うことで、適度に基底材の色を透けさせることができるのもポイントです。
【使用画材】
色材:アストロフレーク 各色(中島金属箔粉工業)
メディウム:ジェルメディウム(ホルベイン画材)
基底材:竹和紙 水彩画用
一般的な油絵具やアクリル絵具用のピグメントは光沢感のあるメディウムと混ぜるとガラっと色の印象が変わることがありますが、この顔料は瓶で見た時の印象と大きな変化はありませんでした。
ある意味で、とても素直なエフェクト顔料と言えるでしょう。ただし、より強い光沢感を得たい場合は黒系の下地に塗装することをお勧めいたします。
混色をすることで得られる想定外のハーモニーを楽しんでください。比重の異なる顔料を混ぜることで分離色を作っても良いでしょう。ただし、画面上で色材を分離させるような表現をする場合、大量に水分を加えてしまうと接着力が落ちて絵具が剥落してしまう可能性もあるため、ご注意ください。