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PIGMENT LAB TOKYO

ポスターカラー製造現場に行ってきました〜日本のアニメ産業を支える国産絵具〜

2019-05-08

日本を代表するカルチャーのひとつであるアニメーション/アニメは、国内のファンに留まらず、英語版Wikipediaで「Anime (/ˈænəˌmeɪ/)」という項目が作成されるほど世界中にファンを増やし続けています。

 

日本のアニメは、透明なセルのレイヤーと背景とを重ねて描くセルアニメを主軸とし、発展を遂げますが、その技法は90年代を境にデジタル彩色へと移行しました。しかし背景については、現代でも水系絵具で製作されることがあります。そうした場面で、アニメーションの縁の下の力持ちを担う美術監督らが愛用している画材のひとつが、ニッカー絵具株式会社のポスターカラーです。

 

今回のPIGMENT ARTICLEでは、そうした絵具がどういった現場で作られているのかをレポートいたします。

 

まず、最初にご紹介するのがこちらのお部屋。まるでアニメの世界にでてきそうな場所ですが……このブースでは新商品の実験や、絵具の調色テストが行われています。顔料は同じ色名であっても仕入れた際のロットや仕入元の違いによって、色味のズレが生じるため、色が常に一定となるよう、ここで製造のテストをしているのです。




そして次のエリアが実際の製造現場です。

ニッカーのポスターカラーはメディウムにスーダン産の最高級アラビアゴムを使用しており、水馴染みに優れているとのこと。これら顔料とメディウムを混ぜ合わせることで絵具の素を作ります。






そして、それを攪拌器で混ぜたのがこちらです。でも、まだ少しダマになっているのがお分かりになりますでしょうか。ここで登場するのが三本ロールです。




三本ロールで顔料とメディウムをさらに練り合わせることで、より滑らか且つ発色の良い絵具を造ります。こちらの巨大な機械を操るのは、この道40年の大ベテラン職人さん。この練り合わせは合計で3〜4回、色によっては10回も行われるそうです。




そして常に色味が一定となるよう、基本となる塗り色や、前回の塗り色と見比べながら、最終チェックを行います。特にアニメなどの美術背景の現場では、少し色味がズレただけでも作品のクオリティに影響するため、入念なチェックが行われます。




最後に、瓶詰めされて絵具の完成です。




ジャパニメーション黎明期から現場を支え、常に高品質かつアニメーターにとって使いやすい絵具を提供され続けているニッカー絵具さんの秘密は、歴史に裏打ちされた職人技と、企業の徹底的な品質管理にありました。



企業情報


ニッカー絵具株式会社

ホームページ : http://nicker-enogu.com

Twitter : https://twitter.com/nicker_enogu

YouTube : https://www.youtube.com/user/nickerenogu

Profile

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

大矢 享

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート 1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとしてとして携わりながら、平面作品を中心にアーティストとしても活動中。

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート 1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとしてとして携わりながら、平面作品を中心にアーティストとしても活動中。