◆「胡粉」はイタボ牡蠣の貝殻を粉砕して細かく顔料化したもので、炭酸カルシウムを主成分とする伝統的な白色顔料です。白雪印→白寿印→金鳳印と右に行くにつれて上質になっていき、金鳳印はやわらかな色合いで上塗りや仕上げとして、白雪印は被覆力ある白色で地塗りに適しています。
◆「本朱」は、元々は天然赤色顔料辰砂の色であり、色名としての朱色は本来この色のことを指しています。しかし、一般的には硫黄と水銀の化合物である硫化水銀(バーミリオン)がよく知られており、現在「朱」と呼ばれる顔料の多くはこの色を指しています。