西洋において青は重要な意味を持つ色のひとつでした。キリスト教の宗教画では、聖母マリアは青色のマントを身につけており、その衣服は「天の真実」を意味するとされています。
《Madonna and Child with Two Angels》Giovanni Bellini, late 1480s, The Metropolitan Museum of Art(https://www.metmuseum.org/art/collection/search/435641)
また近代美術においても、青は象徴的な色として扱われておりました。フランスを代表するアーティストの1人であるイヴ・クラインは、自身が使用する青を「インターナショナル・クライン・ブルー」と命名し、それを用いて様々な作品を制作しました。
そして今、新たな青が産声をあげました。それが「インミンブルー(YInMnBlue)」です。
インミンブルーという名前は、実験の際に酸化マンガンに他の化合物が混ぜ、高温でこの構造をテストした際に作られたことから由来し、名前のYInMn は、Yttrium( イットリウム)、Indium( インジウム)、Manganese( マンガン)の元素記号から付けられました。
この新しい顔料の注目するべき特徴の一つは、赤と緑の光の波長を吸収し、ブルーの光の波長を反射することです。また、深いブルーであるとともに、多くの赤外線を反射する特質を持っており、化合物はとても安定している為に色があせることがありません。
また美術素材としての観点からみると、この顔料は輝かしく、まるで陽火などの揺らめきのような、色を持っています。
PIGMENT TOKYOでは、この貴重なインミンブルーの顔料はもちろん、欧州のデリヴァン社製インミンブルーのアクリル絵具も日本初で販売しております。こちらの商品はPIGMENT店頭とオンラインショッピングからもお求め頂けます。この機会にぜひ、世界最新の青に触れてみてください。