美術館などで東洋美術の作品を鑑賞した際に、このような印を見ることがあるかと思います。これを「印章」と言い、アジアの美術を理解する上で重要な要素の1つとなっております。
《達磨図》部分 雲谷等顔 桃山時代後期(1573–1615) メトロポリタン美術館
海外在住の方は驚かれるかもしれませんが、日本では現代でも公的機関の書類や手続きなどで印鑑が使われております。判子屋さんではもちろん、文房具店やスーパーマーケットでも印鑑を購入することができます。
さて、そんな日本人にとっても馴染み深い「印」ですが、皆様はその起源をご存知でしょうか。その歴史は古く、中国の紀元前1800〜1100年代にまで遡ります。日本に伝来された詳細な時期は不明ですが、日本書紀にて持統天皇へ木印を1つ献上したとされており、これが日本で作られた印の第一号とされています。
印の形式にも様々な種類があります。書画などの書き出しに用いられる冠帽印や、名前を記す為の姓名印、実名の他に別名を名乗る際に使う雅号印、日光・日吉・日利などのめでたい言葉を彫った遊印、作品のコレクターが収集物を手にした喜びを表現した収蔵鑑賞印など、印の種類を1つとっても多様です。
《Seal with knob in the shape of a wheel》1424年 メトロポリタン美術館
こうした印を木や石などに掘ることを「篆刻」と呼びます。日本には現代でも篆刻を主とする作家が沢山活躍しており、日本の美術における1つのジャンルを築いています。
田邊栖鳳先生による篆刻講座では、こうした歴史のある印の文化と触れ合いながら石を彫り、自分だけのオリジナル判子制作を体験いただける講座です。当ラボの他講座同様、必要な道具は全てPIGMENTでご用意いたしますのでご安心ください。さあ、自分だけのオリジナル判子制作の始まりです。
講座はまず、印章のデザインから始まります。まず先生から篆刻についての概要のご説明があったのち、書体のサンプル帳などを参考にしながら自分オリジナルの印を作っていただきます。もちろん漢字でなくても結構。ひらがな、漢字問わずアルファベットや図柄など、印の発想は自由です。
その後、イメージを印材に描き起こし、印刀で凹凸面を掘り進めます。
印には大きく分けて、線の外側をとり赤い字の印章を作り出す「朱文」と、線の中を掘って文字のシルエットを作り出す「白文」があり、印のイメージに合わせて彫りすすめます。
『石を掘る』株式会社墨運堂 より引用
そして最後に印泥を使って捺印を行い、完成です。
字を彫り、その字と図の意味に想いを馳せる。文人の世界の一端を皆様も感じてみてはいかがでしょうか。
講座の詳細とエントリーフォームは以下となっております。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
・篆刻〜文人の嗜み〜
講座開催日:2019/04/13(Sat)
講座時間:13:00 - 17:00
https://pigment.tokyo/products/107
※こちらのワークショップは終了しております。
https://pigment.tokyo/collections/workshop
※本講座は定期開催を予定しております。今回はご都合がつかないという方はぜひ、次回の篆刻講座をご受講ください。開催時期が決まり次第、PIGMENT LAB WORKSHOP公式ページに情報をアップいたします。
https://pigment.tokyo/collections/workshop
※英語通訳付きのプランもご用意しております。日本文化や漢字に興味があるという方はぜひご受講ください。また、訪日の団体様向けのプランもアレンジいたします。ご興味のある方はお問い合わせページよりご連絡お待ちしております。