PIGMENT TOKYOがある天王洲アイルは、芸術文化の発信地としてアートイベントやギャラリーなど、アートが身近にある街です。
2021年の秋は、イギリスのアーティスト、バンクシーのオリジナリティ溢れる展覧会「バンクシーって誰? 展」を開催しております。
PIGMENTでは展覧会とのタイアップイベントで、期間限定ワークショップを実施いたします。
[期間限定ワークショップ]日本版ステンシルアート
開催日:2021/09/23(木・祝)、10/02(土)、10/09(土)、11/06(土)、11/27(土)
時間:各日程 11:00-12:00/14:00-15:00
展覧会情報:バンクシーって誰? 展 https://whoisbanksy.jp/
※こちらのワークショップは終了しております。
最新情報は下記リンク先にてご覧いただけます。
https://pigment.tokyo/collections/workshop
こちらの講座は、展覧会の鑑賞券付きワークショップです。
ワークショップでは、箔と型紙を使用して文様を施す「印金」の技法を活用したステンシルグラフィティを体験していただけます。
印金(いんきん)とは、染織品の装飾技法の一つで、型を用いて織物に金箔や金泥で転写して模様を付けることをいいます。
転写には、石・木・銅を用いた凹凸版画やシルクスクリーンのような孔版画など、道具は違えど多種多様な技法があり、時代や国を問わず伝達や布教だけでなく様々なシーンで求められ、使われてきました。
アート技法のひとつとして1960年代に始まったとされるステンシルグラフィティは、型紙とスプレーを使い絵や文字を転写する手法です。
型や構成から作品を作るとなるとハードルが上がってしまいますが、こちらのワークショップでは、日本の職人の方が手がけた伝統的な型紙で、ステンシルグラフィティを体験できる講座です。
今回は、特別企画の印金ワークショップの内容をご紹介いたします。
講師は「箔で夜空をつくる」など日本画材の講座を担当している山里です。
PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、大学講師やアーティストとしても活動し、10月には京都にて、個展を開催予定です。
印金を初めて体験する方が多いかと思いますが、山里がわかりやすくご説明いたしますのでご安心ください。
お使いいただく型は、和紙に柿渋を塗布した染織用の型紙で、なかでも「伊勢形紙」という日本で長く受け継がれてきた伝統工芸品を使用します。
柿渋とは、まだ青い渋柿を搾汁し発酵熟成させた古より使われてきた染料で、乾くと防水性があります。また、防腐作用もあるので建材などにも使われてきました。
日本の技術が集結した、型と箔を使ったステンシルグラフィティのワークショップの内容を順を追ってみていきましょう。
和紙の上に、あらかじめ水で濡らしておいた型紙を乗せて、ヘラで糊材を塗ります。型紙でマスキングされるので、型が彫られた文様部分にのみ糊材が置かれます。
糊材を薄く均一に塗ることがポイント。
型を外し、型に合わせて箔を平押しします。
日本では、箔を押すとき「あかうつし」という紙に箔を仮接着する方法で持ち運びます。
当講座では、初めての方でも扱い易い「あかうつし紙」というワックスペーパーを使用して、箔をあかすところも体験していただきます。
糊が付いているところだけ箔が貼れ、後ほど余分な箔を落とします。箔は薄く、とても繊細なので、空気が入ったところだけ脱脂綿でそっと空気を抜くことで、きれいな箔の文様が生まれます。
使用する箔は、美しい赤みを帯びた洋金箔の赤口です。
ここで一旦作業は休憩して、貼った箔を乾かします。
待っている間に、印金や転写、箔などについてお話するので、作りながら感じた印金や箔の疑問が解消するかもしれません。もちろん、制作や講義中にわからないことがありましたら、その都度ご質問ください。
講義が終わる頃にはちょうど糊も乾き、箔を落とします。
タタキ筆という鹿毛でできた硬い穂の筆で、端から少しずつ余分な箔を削り落としていきます。
徐々に箔でかたどられた文様が浮かびあがってくる様も美しく、また心嬉しい時間です。
全面に型の文様が表れるように箔を落としても良いですし、残す箔と文様をデザインして構成することで、個性的なオリジナルのデザインもできます。
最後に削った箔を筆で払い、出来上がりです。
今回は黒い和紙に施しましたが、白い和紙付きの小さな掛け軸もご用意しております。当日にどちらかお好きなものをお選びください。作った作品はお持ち帰りいただけます。
黒い和紙は、およそ19cm×15cm(A5サイズより少し小さいくらい)に印金ができるので、そこから自由なサイズにカットできます。お好きなフレームに入れたり、そのまま置いても、黒地に映える箔の輝きの美しさをご鑑賞いただけます。
掛け軸の作品部分となる白い和紙のサイズは約15cm×10cmで、葉書くらいの大きさです。
その紙の部分に直接、印金を施します。
白地だと、少し柔らかみのある明るい印象になります。
同じ箔と型を使っても、基底材や下地の色により大きくイメージが変わるのも、印金の魅力と言えるでしょう。
インテリアとして飾ったり、展覧会の思い出やお土産としていかがでしょうか。
また、駅や小径、建物など、至るところでアートと触れ合える天王洲。ギャラリーやおいしいカフェもございますので、東京湾を臨む運河の街を、ぜひお楽しみください。
天王洲アートポータル
天王洲MAP
https://www.terrada.co.jp/ja/tennoz/
ステンシルグラフィティを体感することで、「転写する行為」という角度からバンクシー作品への造詣を深め、転写技法の魅力をご堪能ください。
【講師 展覧会情報】
山里奈津実 個展 「8」
会期 2021年10月26日(火)〜10月31日(日)
会場 KUNST ARZT
住所 〒605-0033 京都府京都市東山区夷町155-7
※こちらの展示は終了しております。