更新日:2024年12月26日
筆の起源は諸説あり、古代エジプト時代にはすでに葦(アシ)などの植物繊維から作られたペンや筆が既にあったと言われています。やがて、紀元前200年代の中国で文字の成熟とともに、獣毛の筆や墨、硯、紙といわゆる四宝と言われる文房具が発展します。
日本における筆の歴史には様々な見解がありますが、仏教文化の浸透と仮名文字のような日本独自の文化とともに、製墨や製紙技術も進歩しました。
一般的に流通しているイタチや馬、狸、鹿、山羊の獣毛筆とは一線を画す、鳥の羽根やあまり筆の素材として使われていない毛の筆を、特集いたします。
鶏毛筆
羽根の部分を使用しているので触り心地も良く、まるで綿のようにやわらかな質感です。純白の羽根と軸色の対比が美しく、上品な印象を与えます。
一般的な獣毛筆に比べて非常に柔らかいので、ランダムなストロークになりユニークな線を作り出します。軸が長く、大中小の3サイズあるので、持ち方により羽根の動きも変わるので様々な表現ができます。
羽根の部分を使用しているので触り心地も良く、まるで綿のようにやわらかな質感です。純白の羽根と軸色の対比が美しく、上品な印象を与えます。
一般的な獣毛筆に比べて非常に柔らかいので、ランダムなストロークになりユニークな線を作り出します。軸が長く、大中小の3サイズあるので、持ち方により羽根の動きも変わるので様々な表現ができます。
鶏毛筆
短い羽根を使用している鶏毛筆(小)は白鶏毛筆よりもコントロールしやすく、羽根全体を使うことで独特のタッチが生まれる可能性もあります。穂先と腹で筆触の違いをお楽しみください。
白鶏毛筆 極小
野鳥筆
希少筆の中では比較的大きく、一番大きなサイズは穂丈が約120mmあります。絵具や墨をたっぷり含ませることで、力強いエッジの効いたドローイングが可能です。
ただし、野鳥らしい羽根の癖や長さの不規則性もあるので、遊び心と躍動感のあるストロークに出会えるかもしれません。
野鳥筆
孔雀筆
華やかで美しい、まさにピーコックブルーの羽色と模様が印象深い孔雀ですが、こちらの筆には飾り羽根となる背中の羽ではなく、貴重な尾羽を使用しています。孔雀のシンボルマークとも言える模様が穂にも映し出されています。見る方向により色が変わる、構造色と呼ばれる性質を持っており、エフェクト顔料と同じく光の干渉現象によるものです。
羽毛は太く存在感があり、たいへん柔らかいのですがコシがあるので一本一本が定まらない動きをするので、面白い筆跡やパターンを生み出します。運筆に緩急をつけることで、獣毛筆とはひと味違うにじみや掠れた線が表れます。
水鳥筆
水鳥の羽根を幾重にも重ねたので、穂が平たい筆です。
天然の羽根と素材を使用しているので、模様や色が一点一点異なるのも希少筆の魅力のひとつです。
特にこの水鳥の筆は、羽根のサイズや部位、質感も取り取りで、その点では最も個性的です。
羽根を寝かせたダイナミックな筆跡だけでなく、基底材と色材の調和による繊細でありながらも強さを感じるかすれやぼかし技法が可能となります。
草筆(わら)
植物の茎を乾燥させた藁(わら)を穂にした筆です。特有の荒々しい筆致を楽しめます。
硬さもあり繊維の密度も高くないので、ざらついたぼかし表現に向いてます。
ただし、薄い紙や繊細な基底材の場合は破れることもありますので、作品にお使いの際はテストしてからお使いください。
申筆
こちらは申(さる)の毛。毛質に硬さはありますが穂丈が50mmと細長い形状で、墨や絵具の含みが良くしなやかな書き心地です。絵具や墨を含ませる量によって描画表現のバリエーションが広がります。
非常に含みがよく、筆の先から根本まで滑らかに筆を運ばせることができる、非常に面白い筆です。
申筆
羅漢竹筆
こちらの羅漢竹筆は大きな節が特徴の羅漢竹を軸に使用しています。
含みが良く柔らかいリス毛と、柔らかさと描きごたえのある山羊毛の2種類あるので、用途とお好みでお選びください。
どちらも穂丈が55mmと長めで、穂をふのりで固めているので、筆のおろし方や使い方次第で細い線描から穂の特性とサイズを生かした太いストロークまで汎用性があります。
今回ご紹介した筆は水系絵具の水分量や粘度、基底材のテクスチャーやサイジングの効きによっても多様な表現空間を作り出すことができます。
想像を超えた新たな表現に挑戦してみたい方や、その個性的な見た目に魅せられた方も、ぜひ希少な毛や穂の筆をお試しください。