―PIGMENTで働き始めて1年目になりますが、ずばりこのスペースの魅力は何でしょうか。
そうですね…まずはやはりこの4500色にも及ぶ色の多さでしょう。これだけの色を一度に見られる場所は他にないと思いますし、他店様では取扱のないような変わった素材や顔料なども取り揃えていますので、想像力を掻き立てられる場所ではないかと思います。
また、アーティストがスタッフとして接客やワークショップを提供していますので、より制作者側に立ったアドバイスや技術提供が出来ることも魅力だと思います。
―芹澤さんは普段、どのような作品を制作されているのでしょうか。
私は、岩絵具や膠などの日本画画材を使用して、ヨーロッパの風景をモチーフとして制作しています。あちこちを旅して目にした様々な風景に郷愁や、物語的なイメージを重ね合わせています。岩絵具というと古典的な日本画をイメージされる方が多いですが、私の作風はそれとはだいぶ趣を異にしているかと思います。
《路地》2018年
P30号
高知麻紙、膠、胡粉、水干絵具、岩絵具
―アーティストとしてPIGMENT TOKYOで働く中で得られたことはございますか。
当ラボには国内外問わず、アーティストをはじめとして、さまざまな業種の方がいらっしゃいます。お客様のお話を伺ったり、ご説明したりする中で素材に関しての知識が増えました。それに伴い、こんな使い方も有るんだ!などと既成概念を打ち砕かれたりもしました(笑)常に新しい発見があります。
―PIGMENTで実現したいことなどがあればお願いします。
オープンして5年目になりますが、残念ながらまだまだ当ラボをご存知ない方、またはショールームだと思って入りにくいと感じていらっしゃる方が多いようです。
面白い商品やワークショップなど、様々なコンテンツをご用意しております。画材について「どうしたら良いかな」と困った時などにも気軽に立ち寄って頂けるようなお店にできたらいいなと思っています。
―11月に展示を控えているそうですね。
はい、3年ぶりの個展を東京のアートスペース羅針盤にて開催します。
広めな会場なので、作品が足りるかドキドキしながら制作しています。
「芹澤マルガリータ展」2016年 於・アートスペース羅針盤
―今回の展示のコンセプトはございますか。
今回は一昨年取材に行ったクロアチアの景色がメインになります。
初めての土地だったので、作品化にあたり思ったより時間を取られてしまいましたが、新しい表現につなげることができたかなと思っております。
ぜひ、みなさまのお越しをお待ちしています。
プロフィール
芹澤マルガリータ
モスクワ生まれ。2009年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 芸術表現専攻 修士課程修了。様々な芸術関係の仕事を経て、現在PIGMENT画材エキスパートとして携わっている。岩絵具・膠を使用し、ヨーロッパの風景をモチーフとした絵画作品を制作し都内を中心に発表している。
展覧会情報
Traveling 芹澤マルガリータ展
会期 2019年11月18日㈪~23日㈯
時間 11:00-19:00 、金曜のみ~21:00まで ※最終日~17:00まで
会場 アートスペース羅針盤
〒104-0031 東京都 中央区 京橋 3-5-3 京栄ビル2F
TEL&FAX 03-3538-0160