墨の持つ美しい色彩

墨の持つ美しい色彩

更新日:2025年8月27日

 

 

多彩な墨色を知ろう

 

墨に五彩あり。

墨の中にも多彩な色がある、という古来から語り継がれてきた言葉があります。

思い浮かぶ色は黒のイメージがありますが、しかし同じ「黒」でもそれぞれの墨に豊かな色彩が含まれています。

この言葉の意味には、濃淡での表現、絵から受けた心象など諸説ありますが、今回は「墨の色味」に焦点を当て、その中でも青墨と赤墨をご紹介します。

 

 

 

伝統的な墨の作り方

 

まず墨はどのようにできているのか、原料と造り方についてご説明いたします。

 

 

墨の基本材料:煤と膠

 

基本材料は煤と膠。これらを練り合わせ、成型し乾燥させたものが固形墨です。

手軽に使える身近な墨だと、墨液や筆ペンなどで使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし前者と後者では大きな違いがあります。経年や硯で磨ることによる色合いの変化が見られるように、固形墨ならではの特性もあります。

 

 

 

墨色の種類:青系と茶系の黒

 

煤の原料や製造方法などの違いで青みのある墨、赤みのある墨ができます。いわゆる、青墨と茶墨です。

種類も数多くあり、特徴の違いを固形墨の状態で比べるのは難しく、実際に使ってみないとわからないものもあります。

PIGMENT TOKYOにもたくさん種類がありますが、その一つ「大和雅墨(だいわがぼく)」で色味を比べてみましょう。

 

 


 

【1日限りの特別体験】墨運堂の古墨と希少墨を試せる特別ワークショップ

 

PIGMENT TOKYOの10周年を記念し、株式会社 墨運堂による特別ワークショップを開催いたします。
奈良本社・工場内にある、墨を磨り試す場「永楽庵」でしか体験できない貴重な古墨、100種類の異なる配合で作られた「百選墨」をお試しいただけます。
墨の色合いや香り、質感など、五感を通してお楽しみください。

 

[10周年記念]墨運堂 古墨・希少墨をためそう

 

開催日程 2025年9月6日 (土)
場所   PIGMENT TOKYO
時間   11:00-15:45 各回45分/全4回
受講料  ¥1,650(税込・材料費込)
対象年齢 高校生以上
ご予約

 11:00 –11:45  [10周年記念墨運堂 古墨・希少墨をためそう 25/09/06_11:00

 12:15 –13:00 [10周年記念]墨運堂 古墨・希少墨をためそう 25/09/06_12:15

 14:30 –15:15 [10周年記念]墨運堂 古墨・希少墨をためそう 25/09/06_14:30

 15:45 –16:30 [10周年記念]墨運堂 古墨・希少墨をためそう 25/09/06_15:45

※その他詳細は、予約ページも併せてご確認ください。

※対応言語:日本語、英語、中国語

 

 

体験できること

 

「古雅墨」と「百選墨」の試し磨り

当店では一部を除いた百選墨を取り揃えており、今回のワークショップではメーカーの持つ貴重な在庫から数種類お試しいただけます。

厳選された墨のもつ豊かな表情を、実際に磨ってご堪能ください。

・製造から50年以上経っている「古雅墨」

・ひとつずつ配合の異なる「百選墨」

墨の色見本づくり

・墨の濃淡や色味を比較しながら「色見本」を作成

など



墨運堂について

創業1805年、200年以上にわたり墨の製造を手がけてきた老舗メーカーです。長い年月を経て培われた技術と知見により、大和雅墨のような高品質な固形墨から、厳選された原料から生まれる希少な墨や古墨、そして近年注目されている色彩豊かな「彩墨」など、さまざまな墨を展開しています。


墨づくりに込められた想いや製品の特徴についてお話を伺いながら、奥深い墨の世界に触れる貴重な機会です。熟成された墨の魅力をご体感ください。

 

 

その他ワークショップにつきましては、こちらのページをご覧ください。

ワークショップ—PIGMENT TOKYO

 


 

 

 

こちらは墨を磨った際の画像ですが、この時点で色の違いをお分かりいただけるでしょうか。

 

青墨
大和雅墨 青燭精

 

 

 

 

 

茶墨
大和雅墨 茜雲

 

 

 

 

 

 

下記の図は、「青燭精」と「茜雲」を四種類の和紙に描いた比較図です。

 

 

【使用画材】

色材:大和雅墨 青燭精(青墨)/大和雅墨 茜雲(赤墨)

基底材:雲肌麻紙新麻紙、楮紙15匁 晒 生、楮紙10匁 晒 生

※楮紙15匁 晒 生(10匁・15匁) は販売を終了いたしました。

 

 

にじみかたや色合いも、紙の種類や厚さなどによって少しずつ変化しているのが、ご覧いただけるでしょうか。墨の濃淡や滲ませ方の加減にもよりますが、淡くなるとより色味の違いが出てきます。

 

また、青墨では、藍や顔料を入れてより青みのある墨を作る場合もありますが、「青燭精」は墨本来の青みです。

青を添加した墨では「大和雅墨 碧潭」は本藍が入っており、藍と墨が融合した美しい色合いが持ち味です。

「画墨 蒼心」は藍と顔料が入っており、より青色が引き立っています。

 

 

 

こちらは、実際に描いた画像です。

 

 

淡くなると、「蒼心」の方がより青みが広がり、「青燭精」とはまた一味違う豊かな墨色が感じられます。

 

 

上記以外の、大和雅墨は下記の通りです。

 

 

■青墨

 

■茶墨

 

 

大和雅墨の商品詳細のページには色見本もあるので、お好みの色味を探す際のご参考にしてください。こちらはそれぞれの箱にも入っているので、保管の際にも便利です。

種類によりサイズも異なりますが、初めて使う方やお試しで使ってみたい方は小さめの墨をおすすめします。

 

 

 

硯で墨を磨る方法

 

固形墨を使用する際は、硯で磨ります。

一見難しそうに思われますが、必要なものは墨、硯、水の3点だけです。余分な力を加えずとも磨れるので、ご興味のある方は下記動画をご参考に是非お試しください。

 

 

【墨の磨り方】

 

 

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多彩な色が広がる墨の世界。

先人から受け継いだ伝統と、長年培った技術で職人が一つ一つ丹精込めて作り上げた固形墨の魅力を、ご堪能ください。

 

 

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参照
株式会社 墨運堂
「墨の造り方 (固形墨)」

 

 

 

白石 奈都子

PIGMENT TOKYO

白石 奈都子

多摩美術大学 染織デザイン専攻卒業。オリジナルの和紙、書を主体とした制作に携わり、アーティストとして活動中。

好きなマチエール:紙 躍動感のある木の繊維

多摩美術大学 染織デザイン専攻卒業。オリジナルの和紙、書を主体とした制作に携わり、アーティストとして活動中。

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