インミンブルーは、その他の合成顔料、ウルトラマリン・ブルーやプルシャン・ブルー、フタロ・ブルーに並ぶ色です。アート画材などのために開発されたものではないのですが、その特質から確実にアート画材の利用価値があります。
この顔料は、電気系の利用のために開発されていた新しい原料の研究の際に、嬉しい偶然から発見されました。オレゴン州の大学のサブラマニアン教授率いるサイエンスチームが、この実験の際に酸化マンガンに他の化合物が混ぜて高温でこの構造をテストした際に作られたサンプルの中で、とても鮮明な青色になったものがあることが記録されました。名前のYInMnは、Yttrium(イットリウム)、Indium(インジウム)、Manganese(マンガン)の元素記号から付けられました。
この顔料の注目するべき構造の特徴の一つは、赤と緑の光の波長を吸収し、ブルーの光の波長を反射することです。この新しい顔料は、鮮やかなブルーであるとともに、多くの赤外線を反射する特質を持っています。観測結果より、この鮮やかなブルーは、とても耐久性がり、この化合物はとても安定していて色が褪せることがありません。
美術の観点からのインミンブルー(YInMnBlue)は、輝かしい、まるで陽火などの揺らめきのような、そしてほんの少しのレッド・アンダートーンを持っている色です。サンプルの評価テストの研究ノートに、とても高い光の反射率(鮮やかさ)が他の色相環のどのブルーよりも高いと示されています。これはすべてこの顔料の粒子の化合物の構造のためです。その他のとても重要な要因で考慮しなければならない健康や安全問題についてですが、この顔料の合成物には一切の有害物質が含まれていません。
顔料の鮮やかさは、イブ・クライン・ブルーを思い出させます。(彼が発見したわけではありませんが、彼が結合材と顔料ーウルトラマリンブルーの配合を開発した色でした。)インミンブルーは、その見かけの鮮やかさが、クライン・ブルーと同等またはそれ以上で、赤外線を反射することや耐光性の高さ、絵の具の状態でも乾燥の状態でも安全であるということで、ウルトラマリン・ブルーに変わる存在です。
PIGMENT TOKYO Article 最新の青い顔料、インミンブルーに迫る