箔押し紙で間を装う

箔押し紙で間を装う

創業105年を迎えた歴清は、日本の様式美とも言える箔文化を現代に繋ぐものとして数々の商品を創り出されています。

その中のひとつ、受け継がれた技術と伝統美を現代の感覚と技を融合して形作られた「箔押し紙」。

サイズは、A3くらいのものから大きいサイズまで4種類あり、使い方も内装などのインテリア装飾から作品制作まで多岐にわたります。

 

 

 

 

高度な職人技術を駆使し、歴清社オリジナルの鳥の子紙に、洋金箔、アルミ、銅、赤貝箔、青貝箔など様々な箔を多種多様に施した「箔押し紙」の中から、いくつかご紹介いたします。

 

 

 

まずは、箔と言えば「金」。

 

 

 

金色の箔はいくつか種類がありますが、こちらは銅と亜鉛を合金した真鍮を使用した「洋金箔」。金箔の代用品としても使われています。

 

■格子押し/小

39mm角の箔を格子状に配置。規則的な意匠の中に見え隠れする地と図の美しさを感じられます。

 

■大箔散らし

大判の箔を崩し、散らすように貼られています。不規則なリズムが放つ光の陰影が、洋金箔の持つ青みのある金色を引き立たせます。

 

■琳派風

規則的な配置の中であえて箔角を乱し、重厚感を感じます。琳派の絵を彷彿とさせます。

 

 

 

次は、赤貝箔と青貝箔。

どちらも本銀箔を硫黄で燻すことにより硫化反応で色を変化させた、日本特有の技術で作られた箔です。燻す時間長くなるほど、赤、青、黒と変化します。

 

 

 

■平押し紙

箔を一枚ずつ規則的に並べるように貼り合わせられ、箔本来の美しさをストレートに感じられる一枚ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

■表箔

鳥の子紙、絹(1枚)、箔の順に貼付。箔と絹目の質感をバランスよく感じられます。

 

 

 

 

 

■裏箔

鳥の子紙、箔、絹(1枚)の順に貼付。絹が一番上にあるので、絹目の奥に、柔らかみのある箔の輝きを感じられ、摩擦強度も備えています。

 

 

 

 

 

■木目

平押しした箔の上に絹を2枚貼付。絹の重なりから成るモアレにより木目が浮かび上がります。木目模様の隙間から箔の煌めきが見え隠れする、個性的な一枚です。

平押し紙、表箔、裏箔、木目の四種の中で、最も摩擦強度を備えています。

 

 

 

 

上の画像は、赤貝箔を見比べたもの。絹目の有無や重ね方による違いが分かります。

 

 

箔押し紙単体で使用しても空間に映えますが、表箔、裏箔、木目などは絹目の肌感を生かした表現など、独自の感性を加えたアレンジも可能です。

箔押し紙は一枚一表情が異なるので、一期一会をお楽しみください。

 

ご紹介した以外にも種類がございますので、箔、光沢、強度、色など、お好みやご用途に合わせてお選びください。

 

箔押し紙

https://pigment.tokyo/ja/product/?category=%E9%87%91%E5%B1%9E%E7%AE%94/%E7%AE%94%E6%8A%BC%E3%81%97%E7%B4%99/

 

※445×295mm以外のサイズは受注生産になりますので、紙の種類・大きさにより納期が異なります。予めご了承ください。

 

 

 

また、箔押し紙や箔と他の素材を組合せた手作りの金銀紙の端切れを数種類、ランダムに入れられた商品もご用意しております。

 

 

 

 

箔押し紙とは少し趣の違うデザイン紙も入っており、全容は開けて見るまでのお楽しみ。コラージュやオリジナルのカード、オーナメント制作にもお使いいただけます。

 

 

 

 

 

箔押し紙だけでも美しいのですが、画材と組み合わせてどのような表現ができるのか、とても気になるところです。

今回は、PIGMENT TOKYOのスタッフに絵を描いてもらいました。

使った画材は、前回記事「自分でつくる透明水彩絵具」の時に試作した透明水彩絵具や胡粉、墨、マスキングインクなど。

 

 

 

 

 

 

表面が特殊コーティングされているので、墨や水彩絵具は水気が多いと弾いてしまいますが、濃いめの墨であればしっかりと載りました。

 

 

 

 

枝は、「永楽」という茶系の墨を使用。濃い目に磨ったことにより、枝の先まで綺麗な線描で描かれています。太い枝の部分は絵具を併用。

 

 

 

 

上の画像は、葉脈の表現にマスキングインクを使用。

白抜きしたいところにマスキングインクを塗り、インクが乾いてから描画をします。描画が乾いてからインク部分を消しゴム等で擦り取って、できあがりです。

 

 

見る角度により箔や描画の見え方や印象が変わるところが、箔押し紙に描く面白さではないでしょうか。

 

 

下記の記事でもサンプル例などをご紹介しております。よろしければご参照ください。

 

「箔と遊ぶ」

https://pigment.tokyo/blogs/article/82

 

 

店頭には箔押し紙の実物のサンプル帳もご用意しております。お近くに来られる機会がございましたら、是非ご活用ください。

 

 

空間や外光により変幻する箔から放たれる光は、文化や時代を問わず都雅な美しさを感じられます。支持体として、造形の主役として、箔を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

株式会社 歴清社

http://www.rekiseisha.com/

 

 

【Instagram Live歴清社×PIGMENT TOKYO】

歴清社と共同ライブ配信を行います。是非ご参加ください!

日時:2020年12月8日(火) 13時〜

箔押し紙の製造現場ライブ中継や、歴清社の方にも質問もできますので、この機会に箔押し紙に関する疑問をどんどん聞いてみてください。

《PIGMENT TOKYO Instagram》IGTV

https://www.instagram.com/pigment_tokyo/channel/

 

こちらからライブ動画をご覧いただけます。

《Instagram LIVE Collaboration - 歴清社×PIGMENT TOKYO -》

https://www.instagram.com/tv/CIhkKsLi-21/

Profile

白石 奈都子

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

白石 奈都子

多摩美術大学染織デザイン専攻卒業。オリジナルの紙や和紙、書を主体とした制作に携わり、現在はアーティストとして活動中。

多摩美術大学染織デザイン専攻卒業。オリジナルの紙や和紙、書を主体とした制作に携わり、現在はアーティストとして活動中。