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青木先生から学ぶ、墨の深い話

2020-12-19

墨の歴史は非常に古く、紀元前17世紀頃、中国の殷王朝の時代まで遡ります。しかし墨が実物として確認されるのは前漢時代を待たねばならず、この頃は墨粉に膠汁を混ぜ、石製磨墨具ですった液状の墨が使用されていました。

固形墨が登場するのは後漢の時代。当時は膠と煤を練り合わせて、球状に固めたものを使用していたそうです。時代は進み、李淵が隋を滅ぼし唐代になると製墨法が進歩し名工を生みました。我が国においては、正倉院にこの時代の逸品が残っており『日本書紀』にもそのことが記されています。


こうして半島を経由し大陸より伝来した墨ですが、とりわけアンティークの墨は昔から非常に高値で取引されていました。

例えば1881年(明治14年)11月20日の読売新聞によれば、白居易が使用したとされる墨を、陸軍中将の鳥尾小弥太が購入したという記事が残されています。

彼が手にしたものが本当に白居易の品だったか定かではありませんが、このような記録が残されているくらい、かねてより古墨には骨董的価値が見出されてきたことがわかります。


下記でご紹介しているのは墨運堂の固形墨たち。

一見、ゼロを1桁間違えてしまったのかなと思ってしまうかもしれませんが、長年熟成させたワインのように、巧の技で造られた墨には、それしか出せない確かな価値が、そこにあるのです。


題字墨 墨運無彊 (大)
630,000円
題字墨 翔鸞
450,000円
題字墨 幽貞
270,000円



当ラボの顧問をされている青木芳昭先生も、そうした墨の魅力に惹かれたひとり。

アートにおける技法材料学普及のため、京都芸術大学で教鞭をとり、京都技法材料研究会の会長を務めながら、日々、画材の研究・蒐集を続けられています。


そんな青木先生の墨に関するナレッジを、使い手と作り手の両視点から分かりやすく説明しているのがPIGMENT VIDEOの「よくわかる絵画材料 墨」です。


よくわかる絵画材料 墨①
3,600円



はじめて美術を学ぶ方からその素材を用いて制作をしているアーティストまで、対象に制限はありません。

日本画を専門にしていらっしゃる方にはもちろん、東洋美術史を勉強されている方にもおすすめのコンテンツです。


今回は、特別にVol.1の内容を少しだけ、お届けします。

初回は墨の色を決めるにあたり、もっとも重要な油煙と松煙の質の違いにフォーカスを当てます。




ときにみなさま。当ラボの以前のアーカイブでも、固形墨には大きく分けて油煙と松煙があるということをお話させていただきましたが、前者・後者問わず「どんな原材料をつかっているか?」で発色が異なってくるのはご存知でしたか。




このように、一言に煤といってもさまざまな種類があることがわかります。

さらに墨は煤と膠を練り合わせただけではなく、チューブ絵具における体質顔料のように、ちょっとした「隠し味」が練りこまれています。

どんなものが添加されているのかは、ぜひご自身の目でお確かめください。


こちらが、青木先生がコレクションされている墨の一部。様々な色と形があり、魅力的です。このように機能性と美の両軸を極める精神は、東洋美術のひとつの特徴といえるでしょう。




そして本題である、油煙と松煙の違いに迫ります。

原料、粒子の大きさ、磨り口などなど、詳細はコンテンツを購入してからのお楽しみ。






Vol.2では「製墨方法の違いによる和墨と唐墨の違い」を扱い、Vol.3では「実践 新墨と古墨・磨り方・発色の違い・水質による違い」というテーマでトークが展開されます。


よくわかる絵画材料 墨②
3,600円
よくわかる絵画材料 墨③
3,600円



もちろん視聴回数に制限は設けておりませんので、一度ご購入頂けましたら何回でもご覧いただくことが可能です。

画材ラボPIGMENT TOKYOだからこそ提供できる、動画ならではの良質な体験を、ぜひお好きな場所でお楽しみください。


参考資料

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 “墨” https://japan.eb.com/rg/article-06185100 (2020年12月5日閲覧)


墨運堂 墨の歴史 日本編 正倉院の記事(伝正倉院古墨)https://boku-undo.co.jp/history/japan/jp02.html (2020年12月5日閲覧)



Profile

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

大矢 享

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとしてとして携わりながら、平面作品を中心にアーティストとしても活動中。

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとしてとして携わりながら、平面作品を中心にアーティストとしても活動中。