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Pebeoヴィトラーユとファンタジープリズムで作るホビー作品

2020-09-12

DuoやAQYLAなどなど。絵画材料が日進月歩で進化を遂げているのと同じように、ホビー用の色材も様々な製品が登場しています。

ですが、以前、メディウムについての記事*1でもご紹介しましたとおり、全ての絵具は基本的に顔料とメディウムの組み合わせから作られています。

(*1顔料+メディウム=絵具?)


つまり絵画用でもホビー用でも同じ絵具。プラモデルやフィギュアに当ラボの商品を使ってはいけない、なんてことはありません。

ホビーは自由!!

いろいろな素材を試して、あなただけのホビー道を極めてみてください。


そんなホビーファンの皆様にもおすすめなのが、Pebeo社から販売されている「ヴィトラーユ」と「ファンタジープリズム」です。


「ヴィトラーユ」シリーズ

Deep Blue No,10
680JPY
Lemon No,23
680JPY
Pearl No,39
680JPY


「ファンタジープリズム」シリーズ

Prism 6 colors set
1,800JPY
Prism Cherry Blossum No,14
680JPY
Prism Violet No,26
680JPY



キャンバスや紙はもちろん、ガラスや金属など、ツルツルとした面へ塗るのに適しているこの画材。

完全に乾燥すると、このような漆のような質感になったり……




まるで虫の複眼のような、構造的な絵肌を作り出すことができます。




糊材として油系のアルキド樹脂を使用しているため、約6時間ほどで表面乾燥します。透明度が非常に高いため、ヴィトラーユとプリズムを組み合わせることで、このような多層的にレイヤーを重ねた表現も可能で、水系塗料にはない滑らかな光沢と強靭な塗膜が得られます。




そこでお声がけしたのが、以前*2にも登場していただいた都内某所のオルタナティブスペース「我が家工房」。

(*2アーティストと素材を繋ぐ~PIGMENT Material Conference Vol.2~)


ライターのガイガン山崎さんが主催する我が家工房では、オリジナル怪獣の着ぐるみやソフトビニール人形の制作を行っています。

今回は、我が家工房の造形主任を務める床山皇帝さんに、ヴィトラーユとプリズムを使っていただきました。

怪獣怪人のアジトから、一体どのような作品が生み出されるのでしょう?


我が家工房のオリジナル怪人、「青色節足人デムシロン」。

左が通常カラーで、右が未塗装の状態となる。本来の成型色はスカイブルー。

主にナガシマのソフビカラーで彩色しているとのこと。



そしてPebeoヴィトラーユとプリズムによって生まれ変わった姿がこちら。


すごい迫力!!

ソフビ専用の絵具と比べて、光沢感や色の重厚感を感じます。



まさにアルキド樹脂特有の光沢感に満ちた仕上がり。

今回、制作にあたってのコンセプトや実際に同社の絵具を使ってみての感想を、我が家工房の2人にお話を伺いました。



ー今回はどのようなコンセプトで制作をしていただいたのでしょうか。

ガイガン山崎:現在の怪獣ソフビは、オモチャ屋に並んでいる子供向けのものも含めて、本物そっくりのリアル志向なんですが、70年代まではずんぐりむっくりというか、ディフォルメの利いた造形が主流でした。我が家工房のソフビは、その頃のものに雰囲気が近いかもしれません。


床山皇帝:デムシロンの通常カラーは、主宰(山崎)の意向もあって、成型色を活かした塗装にしているんですが、今回使用した絵具は非常に透明度が高いため、そのやり方は変えざるを得ませんでした。


山崎:たまたま残っていたデムシロンが、マーブル成型色だったという事情もあります。下地の影響を考えると、まずは全体をひとつの色で塗ってしまったほうがいいだろうなと。「くるみ塗装」と呼ばれる手法です。


床山:エアブラシで吹くために粘度を調整したり、グラデーションを重ねたり、そもそも下地の色を変えてみたりと、試行錯誤を繰り返しながら制作を進めていきました。


塗り試し用の素体でさまざまな着彩テストが行われた。



ー色はどういったコンセプトで決めたのでしょうか。

山崎:ヴィトラーユとプリズムが持っている光沢感、色彩感を活かすには、さまざまな色が乗っているよりは、シンプルに色数を絞ったほうがいいのではと提案しました。彼は放っておくと、どんどんカラフルにしてしまうので(笑)。


床山:最初はシルバー下地で試していたのですが、その透明度の高さから淡い色合いになってしまったんです。そこで下地を同系色に変えてみたところ、強くて綺麗な発色をしてくれるようになりました。下地は、いずれもソフビカラーです。


同じく塗り試し用の素体で、今回のテーマ色決定となった部分。



ー今回のバージョンを制作にあたって、こだわりのポイントなどございますか。

床山:モチーフは、金属光沢が特徴的な「オオセンチコガネ」という昆虫です。緑の部分は、ヴィトラーユのアップルグリーンとプリズムのエメラルドを混色して塗装しました。

また、エッジの部分にクリムゾンを吹くことによって、オオセンチコガネらしい偏光感のある質感を再現できたらなと。


山崎:「ニジイロクワガタ」っぽくもなったね。当初、床山はヴィトラーユとプリズムだけで制作しようとしていたのですが、全体的なメリハリをつけるために、いつもの塗料も部分的に使用したほうがいいのではという話をしました。具体的には目の赤、歯と腕の刃の銀、足の黒、ブーツの金がそうです。下半身のカラーリングは、初代『仮面ライダー』に出てくるゲルショッカー怪人*3をイメージしています。

(*3黒いタイツに黄色いブーツという組み合わせが多かった)


まさにコガネムシのような発色。肩の部分はプリズムのようなキラキラ感が魅力的。

目の部分はGSIクレオスのMr.カラーのクリアレッドを使用。

下地には、蛇腹部分と同様にソフビカラーのゴールドが使われている。



ーよく見ると、本当にいろいろな質感が表現されていますね。

床山:ヴィトラーユのゴールドを1回吹いたあと、その上からオレンジを吹いたりなど、さまざまな色のレイヤーを重ねた結果、こういった質感を作り出すことができました。腹部の炎のような模様も、歯や腕の刃と違って、プリズムのシルバーを塗り重ねています。ただ、主宰の強いこだわりもあって、ぱっと見では色数が少なく感じられるようにしました。


ーでも近くで見ると違うという。

山崎:怪獣マニア、ソフビコレクターに向けた商品であれば、バカみたいに塗りまくるというアプローチもアリなんです。でも今回は他ジャンルの方々の目にも止まる作品なので、ある種の分かりやすさを意識しました。下半身の沈んだトーンが、全体の光沢感を引き立てているように見えていれば成功です。


この絶妙な光沢の差、皆様はお分かりになるでしょうか。

こういった繊細なこだわりは、我が家工房ならでは。



ヴィトラーユの光沢感と並べると、黒のマットさがより際立ちます。



ー今回の絵具を使ってみての感想をお願いします。

山崎&床山:大変だった!!(笑)


山崎:ソフビカラーは、とにかく乾燥が早いんです。次から次に、新しい色を乗せることができる。一方で今回の絵具は、接触乾燥まで6時間も掛かるので、緑+金というカラーリングに辿り着くまでのトライ&エラーに時間がかかりました。


床山:結局、色が決まってからの本作業にも丸3日かかりましたから。でも最終的に、非常に納得できる仕上がりになったと思います。普段と違う絵具を使用することで、新しい怪獣のアイデアも膨らみました。


ー最後に告知などございましたらお願いします。

山崎:最近は他社さんへのデザイン協力やコラボ企画などが増えてきていて、なかなか大っぴらに宣伝できなかったりするので、オンラインショップ「我が家商会」へのリンクを張っておいてください(笑)。

うちの怪獣のソフビやシール、クリアファイルなどのグッズ販売をしております。また、イベント出演の依頼などもお待ちしてます!



フィギュア制作/取材協力




我が家工房


2018年に怪獣着ぐるみ制作専門のオルタナティブスペースとして、都内某所で開設。主宰はフリーライター・編集者のガイガン山崎(写真左)。

床山皇帝(写真右)、大内ライダー、ぱしみを主要メンバーに、さまざまなクリエイターが参加。

主な経歴として東急ハンズ渋谷店にて個展「怪獣(カッコいい)はつくれる!!」展

(2020年)、LOFT9 Shibuyaでの単独イベント開催(2019年)、ロックユニット ザ・リーサルウェポンズのプロモーションビデオ出演(2019年)など、その活動範囲は多岐に及ぶ。


オンラインショップ

https://wagayakobo.stores.jp

Profile

Art Materials Expert of PIGMENT TOKYO

AKIRA OYA

Born in 1989 in Tokyo Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his artist career composing visual art works.

Born in 1989 in Tokyo Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his artist career composing visual art works.