エフェクト顔料とは光輝(こうき)性顔料とも言われている……と、以前「光 × 色 -クロマシャイン-」の記事でお話しましたが、一体ほかにはどんな種類があるかご存知でしょうか。
クロマシャインのように、基底材の色の影響を強く受けない顔料がある一方で「影響を受ける」ものもあります。
PIGMENT TOKYOで取り扱っている数あるエフェクト顔料の中から、今回は塗布の方法により見え方の異なる顔料についてご紹介いたします。
このような光の作用による見え方の変化は、例えば同じ種類の顔料を白と黒の基底材に塗ると粒子の状態や白地に塗った時は白系の色に見え、黒に塗ると色彩を帯びます。
比較のために、まずはこの顔料をご紹介します。
こちらは、ご紹介するエフェクト顔料の中では唯一、下地の影響を強く受けないので塗布後も視覚効果がほとんど変わりません。
雲母は古来より日本でも美術品等に用いられてきました。「きら」「きらら」とも言われています。現代では化粧品などにも使われており、英語名の「マイカ」と言う名称は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
当ラボでは荒目・中目・細目と3種類ご用意があり、粒子のサイズの違いにより視覚効果に変化をもたらします。また、粒子が薄いフレーク状のため、特に荒目は定着しにくい特性があります。
定着力やメディウムの色による影響が気になる方は、こちらの膠をおすすめです。ゼリー強度が低いので、パール顔料だけでなく岩絵具のメディウム、箔を貼る際にもお使いいただけます
※膠はロットにより物性値が異なります。ご購入の際は、商品説明をご参考にしてください。
下記でご紹介するのが、色層や光源によって見え方が変化する、エフェクト顔料です。
こちらの画像はミラバルの商品ページを例に、サンプルの見方をご説明しております。
同じ種類の顔料でも色により変化の有無が異なりますので、ご留意の上、ご参照ください。
エフェクト顔料の粒子サイズに記載されている単位「µm(マイクロメートル)」は、ミリメートルよりも小さく、ナノメートルよりも大きなサイズです。
・ナノメートル < マイクロメートル < ミリメートル
次にこちらの3色は、白地に塗布すると白いパール系の色に見えますが、黒地だと本来のゴールドが現れます。
■ミラバル
基材はホウ珪酸ガラス。
光輝感と透明性が高く、澄んだ色彩を放ちます。
粒子径が色により10-100µmまたは20-200µm と異なります。
人工的に合成されたアルミナフレークに金属酸化物を被覆した新しい高輝度顔料。
パール顔料イリオジンよりも光輝性があり、マイカ系パールのような黄味がありません。
粒子30µm以下と細かく、バランスの良い色相の色を揃えております。
薄い板状の天然マイカにより構成され、金属酸化物の層で覆われている顔料。
滑らかな色合いから輝度の強いもの、偏光するものなど、その表情や色幅は多様です。粒子径の違いによる色の変化も楽しめ、色数30色以上あります。
こちらの画像は、ミラバルを不均等に塗ったものです。塗りの厚さや光の当て方により、白と金の双方が見られます。基底材に少し丸みを付けて撮影しているので、光の影響による視覚効果の変化がご覧いただきやすくなっております。
■使用画材
顔料:ミラバル シーニックゴールド
基底材:黒鳥の子紙
次の3色はダーク系の色。同じように白地では白パール系、黒地だと顔料の色が顔を出します。
基材はシリカフレーク。酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物を被覆した顔料。
見る角度により多彩な変幻が見られ、視覚効果を利用した表現にもお使いいただけるのではないでしょうか。
基材はフレーク形状のガラス。その表面に金属や金属酸化物をコーティング。
美しい光沢を表現する光輝性無機顔料。
色により粒子のサイズが異なり、粗いもので600µm、小さいものでも80µmとかなり差があります。重厚感を感じられる個性的なエフェクト顔料の一つです。
マイカに酸化チタンや酸化鉄が被覆したパール顔料。
品のある輝きの中に、落ち着いた色味の美しさを感じます。
上記以外のエフェクトは、下記のページにてご覧ください。
【エフェクト顔料】
https://pigment.tokyo/collections/effect-pigments
様々な表情を持つエフェクト顔料は、ひと時の光と色に出会うことで、まだ見ぬ新たな表情が誕生するかもしれません。多彩に輝く色をぜひお楽しみください。