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PIGMENT LAB TOKYO

岩泉館長が語る東洋美術における支持体の基礎知識

2019-08-09

石膏下地といってもボローニャ石膏やソチーレ石膏などがあるように、東洋美術の支持体で多用さる「紙」といってもさまざまな種類があります。今回はそんな「紙」について、岩泉館長に基礎知識をお聞きしました。



―西洋の絵画ですとキャンバスや水彩紙など多くの種類があると思いますが、東洋ですとどういった種類がありますか。

東洋は主に紙や絹を中心に描かれています。

こちらもキャンバスや水彩紙同様に配合や塗り方等でさまざまなバリエーションがあります。




―どういった素材からできているのでしょうか。

紙は中国と日本でその原料や呼び名が違います。

中国では宣紙と呼ばれ、稲藁や青壇皮を混合して用います

日本では和紙または生紙(きがみ)と呼ばれ、原料は主に楮、三椏、雁皮が用いられます。

さらに両国ともそれぞれの原料の加工法や配合比、製造法でさまざまな質感の紙を生み出しています。

絹においても糸の細い、太い、縦糸と横糸の本数や織り方で質感にバリエーションを作っています。




―紙の原料のそれぞれの特徴もお聞かせいただけますか。

まず中国の宣紙の原料ついてですが、稲藁は多いほど紙がふんわりと柔らかく、墨色がきれいに出る紙質となります。青壇皮が多いと靭皮繊維を多く含むため、丈夫で滲みがきれいな紙質となります。

続いて日本の紙の原料についてです。楮はみなさんが和紙を思い浮かべた時にイメージされるテクスチャーの原料です。繊維が長く、丈夫なのが特徴です。三椏と雁皮は紙幣にも使われる原料で、繊維が短く光沢があるのが特徴です。明治以前は多くの絵画に使われた和紙はこの三椏や雁皮を使用したものが主流でした。



―西洋と東洋の支持体の違いや共通点はありますか。

まず共通点ですが、例外は有りますが西洋、東洋ともに白もしくは白に近い色に仕上げます。

これは主に白色によるバックライト効果を狙って絵具の発色をあげるためと思われます。

 

違いは、西洋は水彩紙をのぞいて支持体素材の色が茶褐色であるため、地塗り剤を用いて白色に仕立てます。

対して東洋は出来上がった時点で支持体が白色に仕上がっているため、地塗りをほとんど行いません。そのため、素地の風合いを活かした描き方が発展していきます。




いかがでしたでしょうか。

 

PIGMENTでは、これらの紙の特質をそれぞれ体験できる、オリジナルの紙セットもお取り扱いしております。

なんとこちら、紙のカットはもちろん外箱までPIGMENTスタッフの手作りなんです。

ご興味のあるかたは是非お手にとってみてください。



PIGMENTオリジナル紙セット

https://pigment.tokyo/ja/product/detail?id=3179



Profile

Chief / Art Materials Expert of PIGMENT TOKYO

KEI IWAIZUMI

Chief / Art Materials Expert of PIGMENT TOKYO Doctor of Fine Arts at Kyoto University of Art and Design Instructor of Japanese Style Painting Course at Kyoto University of Art and Design Received a Ph.D. with a dissertation about animal glue method from Kyoto University of Art and Design in 2015. While researching and instructing art materials at PIGMENT TOKYO, he also creates art works reflecting his philosophy of material existence.

Chief / Art Materials Expert of PIGMENT TOKYO Doctor of Fine Arts at Kyoto University of Art and Design Instructor of Japanese Style Painting Course at Kyoto University of Art and Design Received a Ph.D. with a dissertation about animal glue method from Kyoto University of Art and Design in 2015. While researching and instructing art materials at PIGMENT TOKYO, he also creates art works reflecting his philosophy of material existence.