shu uemura × PIGMENT「絵画とメイクにおける色の魔力〜人々が追い求めた美への術〜」

shu uemura × PIGMENT「絵画とメイクにおける色の魔力〜人々が追い求めた美への術〜」

「PIGMENT COLOR PHILOSOPHY」では、アートに限らず色を扱う様々な業種のプロフェッショナルをお招きし、その道における色彩の哲学を通して、「色」を巡る壮大な物語の世界を皆様と共に探求していきます。


vol.4となる今回は、shu uemura international artistic directorのuchiide氏をお招きし、当ラボ館長岩泉と「絵画とメイクにおける色の魔力〜人々が追い求めた美への術〜」をテーマにトークセションを開催しました。


PIGMENT中央のガラステーブルには、shu uemuraのプロダクトが陳列され、会場を美しく彩っておりました。



煌びやかに彩られた会場を盛大な拍手の中、迎えられたuchiide氏と岩泉館長。


トークを開始するにあたり、shu uemuraにおけるブランドとアートの関係性について、uchiide氏よりイントロダクションがありました。今でこそ、アートとメイクは親和性の高いものとして理解されておりますが、ひと昔前ではそうでなかったとのこと。そうした、アート的思考をメイクに導入した第一人者がshu uemuraの創業者である植村秀氏であったと、uchiide氏は語っておりました。


shu uemuraの創造性あふれるヴィジュアルはもちろん、絵具のパレットを思わせるようなアイシャドーや、絵画用にも見える様々な形をしたブラシの数々は、そうしたアート的思考が裏打ちされていることにより、生み出された形なのかもしれません。





そして、トークセッションは本題へ。

材料学的な観点からみても、アート……特に絵画とメイクは非常に親和性が高いと語る岩泉館長。まず1つ目の類似点として、使われている素材があるとのこと。今でこそ、お肌に影響が起きないよう、メイク専用の顔料や材料がコスメに使用されておりますが、それ以前は絵画でも利用されているものが使用されていたそうです。日本ではピグメントのことを「顔料」と表記し、これを直訳すると「顔を処置する、施す」という意味になることから

分かるように、絵画とメイクは材料レベルで同じルーツを持っているのです。




その次に岩泉館長から語られたのが、メイクと絵画が持つレイヤー(層)の類似性です。普段からお化粧をされている読者の方はご存知かと思われますが、メイクはお肌のお手入れから始まり、リキッドファンデーション、パウダー、アイメイク、チークのように、層を重ねていきます。絵画も同様……麻布の場合はパネルに麻布を張り込み、膠を引いて地塗りをし、そこから何層も絵具を重ねて描いていき、最後にニスをかけるという、レイヤーの構造をもっています。

メイク界のプロフェッショナルと、材料界のプロフェッショナル、それぞれの登壇者から語られるディープなトークに、参加者の方々も熱心に耳を傾けておりました。




次のセクションでは、植村秀氏がいかにメイクという概念を拡大したか、uchiide氏により語られました。前述の通りアートとメイクの親和性を説いた植村氏は、当時のアートムーヴメントのひとつであった「オプティカルアート」をモティーフとしたメイクを考案したほか、なんと耳にまでメイクをしたとのこと。

技術の発展と共に様々なニューメディアがアート界で登場したのと同様、植村氏も時代の変化にあわせて、様々な視点からメイクという概念を拡大していったのです。




おふたりによるアートとメイクの親和性が語られたのち、PIGMENT COLOR PHILOSOPHYスペシャル企画として、uchiide氏によるフェルメール作の名画『真珠の耳飾りの少女』をメイクする、というパフォーマンスが行われました。


普段、女性の線画を用いてメイクのレクチャーをすることはあるとの事ですが、キャンバスに描くのは初めてと語るuchiide氏。キャンバスへ向かう姿はまさにペインターそのもの。普段メイクで使用されているパレットから様々な色を用いて、パフで『真珠の耳飾りの少女』にメイクをしていきます。



お化粧をする上でのワンポイントレッスンなども交えながら、軽快なトークと超絶的なテクニックにより、平面的だった線画は生き生きとした女性像に生まれ変わりました。

まさに、アートとメイクのクロスオーバーと言っても過言ではないでしょう。




トーク終了後の質問コーナーでは、熱狂的なshu uemuraファンの女性から、お化粧のテクニックについてや、これからのshu uemuraの展開についてなど……様々な質問がなされ、大盛況の中トークを終えました。



PIGMENT COLOR PHILOSOPHYでは、これからも様々なジャンルのプロフェッショナルをお呼びし、イベントを展開予定です。次回は8月を予定しておりますので、詳細は後日公開予定のPIGMENT LAB WORKSHOP公式HP、PIGMENT COLOR PHILOSOPHYエントリーページをご覧ください。




ゲスト登壇者プロフィール

shu uemura international artistic director

uchiide

shu uemura DNAとして今も息づくパイオニアスピリットを受け継ぎ、包括的なアプローチで新たな美の形、方法、スタイルを未だかつて見たことのないビジョンとして提案する、日本を代表する唯一無二のアーティスト。

数々の著名なコレクションのメイクアップを手掛け、海外からの評価も高い。

Profile

大矢 享

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

大矢 享

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、平面作品を中心にアーティスト活動中。

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、平面作品を中心にアーティスト活動中。