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How to Paint Watercolor Washes

2022-08-31

Sorry, we're currently working on the English version! :)


透明水彩絵具はアカシアの天然樹脂をメディウムとする絵具です。

このメディウムは水溶性で透明性が高く、水のついた筆で軽く撫でるだけで着彩が可能になることから、固形化させた絵具を屋外に携行したり、画面上で容易に混色を行ったりなど、油絵具やアクリル絵具にはない特性を持っています。

日本においては学校教育の現場で使われる場面も多く、一度は触れたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。


今回はそのような水彩絵具の「水溶性」という部分にフォーカスを当ててみたいと思います。

前述の通り水と馴染みがよく、淡い色から濃い色までのグラデーションを瞬時に作ることができます。しかし、水分が蒸発すると紙などの基底材に顔料が定着することから、やり直しが難しい画材です。そのため、思いもよらない部分に絵具がついてしまったり、濃淡を上手く作れなかったりなどが起きやすくもあります。


そこで工夫が必要なのが、水の使い方。水性の絵具にとって、水は絵具を薄めるためのものではありません。チューブやパンケーキに入っていない“透明な絵具”のように、水分をコントロールするだけでさまざまな表現が可能となります。



最初にご紹介するのが、先に水を基底材に描いてグラデーションを作る技法です。

今回のように水を多めに使用する場合、水の含みが良いのはもちろんのこと、適度な厚みのあるものを使用すると、パネル貼りや裏打ちが不要になります。透明水彩用の紙選びは、その質やドーサの有無も含めて、選択肢が非常に多いです。


そのため、初心者の方には竹和紙 水彩画用 アートパッドがおすすめ。スケッチブックタイプになっていて携行にも向いており、裏打ちやドーサをしなくても描くことができます。

色材はゼッキの透明水彩絵具を使用しました。


Bamboo Washi for Watercolor Art Pad
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まず刷毛など大きな面積で塗れるものを使って、基底材に水を塗布し、乾かないうちに水彩絵具で着彩をします。

この時、絵具を「塗る」というよりは「乗せる」ような感覚で、じわりじわりと滲ませていくことが大切です。





次に逆の方向からも着彩します。

こちらも左側同様、焦らずに優しく、紙の上を這わせるように色をつけてください。



そして、完成したものがこちらです。

筆を大きく動かしてぼかさないため、ランダムな階調を作り出すことができます。また先に水を塗ったところから外には着色されないため、そのストロークの形で色調の変化を表現することができます。


【使用画材】

基底材:竹和紙水彩用

色材:Zecchi 水彩絵具(スカーレットレーキ、プライマリーブルー)



こちらは、同じ技法を利用したサンプルです。

筆でそのまま描いた時には生まれない、徐々に変化する線描のトーンが特徴的です。


【使用画材】

基底材:竹和紙水彩用

色材:Zecchi 水彩絵具(ウルトラマリンディープ、プライマリーブルー)



他にも、直接刷毛に着彩を行うことで、平滑かつ幅広なグラデーションを作ることができます。

単色で作る場合は、絵具を穂の片側につけて、そのまま基底材に塗ると、このような階調を描くことができます。

ただし、刷毛での濃度調整が必要となります。今回はZecchiの透明水彩絵具を使用しましたが、絵皿やパレットで絵具の濃度を調整できる、固形絵具以外の色材を使うのがおすすめです。





【使用画材】

基底材:竹和紙水彩用

色材:Zecchi 水彩絵具(プライマリーブルー)



それ以外にも、多色でグラデーションを作ることも可能です。


最初に乾いた刷毛を用意し、そこに好きな色を穂に直接塗っていきます。このような表現を行う時は羊毛と比べて絵具や水分の含みが少なくコシのある、ナイロン性の刷毛がおすすめです。

今回、色材には顔彩を使用いたしました。顔彩とは、東洋風カラーで作られた水彩絵具です。

容器に顔料と膠やアラビアゴムを入れて固められたもので、透明水彩絵具と同様の使い方ができます。


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まずは彩色筆などで一色ずつ丁寧に筆を塗っていきます。多少隣の色と混ざることがありますが、実際に塗った画面に大きな影響はないため、しっかり絵具を乗せてください。




そして、その絵具を含ませた刷毛で優しく画面を撫でると、パステルを指で伸ばしたようなグラデーションを作ることができます。


【使用画材】

基底材:竹和紙水彩用

色材:顔彩


このように、透明水彩をはじめとする水で溶解する性質のあるメディウムは、少し手順を変えるだけで、いつもと違った表現を作ることができます。

絵具遊びをするような感覚で、水彩による階調を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Profile

Art Materials Expert of PIGMENT TOKYO

AKIRA OYA

Born in 1989 in Tokyo. Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art. While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his career as a visual artist.

Born in 1989 in Tokyo. Master of Fine Art and Design at Nihon University College of Art. While working at PIGMENT TOKYO as an Art Materials Expert, he also continues his career as a visual artist.