コラージュで作る色と形

コラージュで作る色と形

PIGMENT TOKYOで取扱している絵画材料は、プロが平面作品を描くため以外にも、アート初心者の方にも楽しんで頂ける商品を沢山ご用意しております。


例えば当ラボの取扱いキットの「篆刻セット」の動画は、作品制作を通して楽しく学べるコンテンツという側面を持ちながらも、専門的な知識と技術が身につく講義でもあります。





またFEATURESでは、以前に絵画初心者の方でも気軽に箔を楽しむことができる「箔と遊ぶ」という記事をご紹介しました。

例えば歴清社から販売されている「手仕事のおすそわけ」を使えば、箔を貼ったり、散らせたりするのが難しい環境でも気軽に東洋の美を楽しむことができます。


(PIGMENT FEATURES「箔と遊ぶ」より)



「手仕事のおすそわけ」は同社が作った金銀紙の端切れを最後まで生かす考えで生まれた商品で、どんな柄が入っているかは届いてからのお楽しみ。

店頭ではパッケージを見て選びながら購入も可能ですので、気になる方は天王洲のリアルスペースにもいらしてください。




そして今回は少しステップアップ。

紙に好きな色を塗って、それを使ってコラージュをしてみましょう。

まずご用意いただきたいのは、こちらの商品です。




多くの透明水彩絵具は、展色材にアラビアゴム及びデキストリンを用い、グリセリン等の人工の保湿材を使用して作られますが、ゼッキの透明水彩絵具はヨーロッパの古典的製法をメディウムに取り入れています。

その商品名のとおり、イタリアの風土を思わせるようなカラートーンも相まって、少し渋めな優しい風合いが持ち味です。



こちらの絵具を使用して、まずは紙へランダムに色をつけていきます。

今回の制作ではドローイング用の紙を使用しましたが、楮紙や雁皮紙をはじめとする和紙に塗ると、質感が変わり表現の幅が広がります。





その後、ランダムに形を切っていき、色のパーツを作ります。

水彩絵具のにじみとランダム性を生かしたかったので、この習作では主にカッターと定規を使用しました。ハサミはもちろんのこと、手でちぎった要素を使って画面を構成しても魅力的になるでしょう。




次にカットした色面を実際に画面に置いて、コンポジションを作ります。

今回は台紙に四角い枠を描き、その上からコラージュをしましたが、支持体を広々と使って配置をしても良いでしょう。

画面を縦や横にしてみたり、見ていて綺麗だなと思える構図を探していきます。




そして完成したのははこちら。

透明水彩絵具が作り出すランダムなにじみを生かしつつ、エッジを生かした構成を狙いました。




また、ホームセンターで無料配布しているペンキの色見本や、印刷所にある刷り見本などのカラーインデックスもあると、さらにコラージュの幅が広がります。




塗装されたフラットな色と水彩絵具の対比を意識して画面を構成しました。




この記事ではモチーフは設定せず、非対象のコラージュを行いましたが、身近なモチーフや好きな形などを切り取ってみても良いでしょう。


コラージュ以外にも、当ラボにある画材には描くこと以外でも楽しみ方が沢山あります。

やってみたい技法などがございましたら、お気軽に当ラボの画材エキスパートまでご相談ください。

Profile

大矢 享

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

大矢 享

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、平面作品を中心にアーティスト活動中。

1989年東京生まれ。 日本大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了。 PIGMENTにて画材エキスパートとして携わりながら、平面作品を中心にアーティスト活動中。