古の色 マヤ・カラー

古の色 マヤ・カラー

古代の人々が築き上げた技術や文化の礎は、現代の生活にも受け継がれています。

その中でも中米に代表されるマヤ文明では、紀元前より約2000年ほど続いたといわれており、長い歴史の中で高度な発展を遂げてきました。

マヤの民は、日本でも馴染み深いインディゴ(藍)という植物の葉と、自然の粘土を混ぜて作られた「マヤ・ブルー」という顔料を生み出しました。また、色の調整技術も開発し、赤や緑、黄色の顔料も全てインディゴをもとに作られていたと見られています。


今回は、そのマヤ・ブルーからインスピレーションを得て作られた色材をご紹介いたします。





こちらは、DERIVAN(デリバン)のマティス・ストラクチャー・フォーミュラ「マヤ・カラー」です。



【使用画材】

色材:マティス ストラクチャー・フォーミュラ マヤ・カラー

基底材:竹和紙 水彩画用



DERIVANは、1964年創業のオーストラリアの画材メーカー。

マティス・ストラクチャー・フォーミュラは、最高品質の顔料と原材料を使用した高粘度のアクリル絵具で、耐光性、柔軟性、保存性に優れたインパスト絵具です。

「マヤ・カラー」は、世界の顔料に焦点を当てたシリーズのひとつで全6色。温故知新の精神で探求されたその色彩は、透明度がありながら個性的な深みのある色合いです。

バインダーとしてアクリルエマルションを使用しているため、紙だけでなく木材やアクリル、金属など多様な基底材にもお使いいただけます。

どの色も発色がよく、深みのあるカラーと伸びのあるテクスチャーは、同社ならではの豊かな色彩をお楽しみいただけるのではないでしょうか。



少しずつ数色使いたい方は、容量が小さなサイズのセットもございます。



容量は各12mlの5色セットです。セット内容はイエロー、レッド、ブルー、バイオレット、グリーンと、単色とは少し色が異なるので、ご自身の使い方やお好みに合わせてお選びください。




こちらは、そのマヤ・カラーシリーズで使用されている顔料です。



【使用画材】

色材:マヤ ピグメント

メディウム:ガムアラビック 水彩メディウム

基底材:竹和紙 水彩画用



天然由来の染料と比べて耐久性や耐光性に優れた顔料は、その希少さも相まって古代より非常に重宝されてきました。

いにしえの意匠を継承し、現代の技術を用いて生み出されたこの顔料は、天然顔料ならではの美しさを感じられるでしょう。

上記のカラーサンプルはマットな質感と落ち着いた色合いですが、メディウムや基底材、技法を変えることでバリエーションができ、種々の表情が表れます。

ぜひ多彩な表現をお試しください。




歴史の1ページを紐解き、当世で新たに生まれた色材に出会うことで、色への探求心やイマジネーションが膨らむのではないでしょうか。

時代を超えて愛される色は、私たちにより豊かな創造の世界へと導く可能性を秘めています。



関連情報

DERIVAN マティス ストラクチャー・フォーミュラ

https://www.matisse.com.au/ja/matisse-structure-formula

(※外部サイトへジャンプいたします。)



Profile

白石 奈都子

PIGMENT TOKYO 画材エキスパート

白石 奈都子

多摩美術大学染織デザイン専攻卒業。オリジナルの紙や和紙、書を主体とした制作に携わり、現在はアーティストとして活動中。

多摩美術大学染織デザイン専攻卒業。オリジナルの紙や和紙、書を主体とした制作に携わり、現在はアーティストとして活動中。